ごじょクルは、大切なご家族を守るために、冠婚葬祭の積立やセレモニーのご準備をお手伝いをいたします。
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第178話~第180話 愛犬とご主人様の別れ
★第178話「愛犬とご主人様の別れ(2)」
お通夜に続き、葬儀も滞りなく進み、いよいよ出棺の時。おじいちゃんは目に涙を浮かべながら、心の中で土屋さんにお礼とお別れを述べています。
(土屋さん、これまでありがとう。土屋さんとユキのおかげで散歩の時間が楽しかったよ。どうか安らかに眠ってくれ…)
そこへユキが係員に連れられて会場に現れました。係員はユキのリードを引き、棺のそばまで連れて行きます。
ユキは棺の中で横たわる土屋さんの顔を不思議そうに見つめ、顔をなめたり、軽く鳴いたり…。しかし決して土屋さんが目覚めることはありません。
奥さんは黙ってユキの姿を見守っていましたが、おじいちゃんは思わず嗚咽を漏らしてしまいました。(ユキ…!)
やがてユキは棺にかけていた前足を下ろし、奥さんを見つめます。奥さんはユキの頭を優しくなでながら「ユキ、きちんといい子にお別れできたわね」
ユキは出棺の様子をじっと眺め、土屋さんを静かに見送りました。(つづく)
★第179話「愛犬とご主人様の別れ(3)」
おじいちゃんとおばあちゃんが土屋さんの葬儀から帰ると、タロが駆け寄って2人を出迎えます。「タロ、ただいま。よし、これから散歩に行こうな」
おじいちゃんはタロと幸せを噛みしめながら散歩をし、晩御飯の時、お父さんたちに土屋さんと愛犬・ユキの最期の別れの話をしました。
そこで「タロと私は、どちらが先に逝くだろう」とポツリとつぶやくおじいちゃん。おばあちゃんは「う~ん、微妙だわね」と笑いを誘い、「でもおじいちゃんが先に逝ったら、タロにもちゃんとお別れをさせますよ」
おじいちゃん「そうだな。タロを見送るのはつらいから、わたしが先だ!」
次男「そんなぁ。僕が犬を飼いたいって言った時、『最期まで面倒を見るように』ってさんざん言ってたじゃないか(笑)」
おじいちゃん「はっ、そうだった!」
互助家の食卓は、温かな笑いに包まれました。(つづく)
★第180話「おじいちゃんの爆弾発言(1)」
平和な日々が続く互助家で、ある日、おじいちゃんが縁側に座って考え込んでいます。
(同期の北山さん、散歩友達の土屋さん…、弟も含めれば、ここ数年の間に3人も見送ったんだな…)
おじいちゃんは人生を振り返り、これまでに参列した葬儀を思い浮かべていました。
(北山さんも土屋さんも、素晴らしいお葬式だった。どちらも故人の人柄が表れていて、奥さんやご家族の真心が感じられたから…。しかし、そもそもお葬式で送られる人たちは、満足するものなのだろうか? 死人に口なしとは言うけれど…)
以前、おじいちゃんは子供に葬儀の意味を問われ、自分なりの結論を出しました。「亡くなった人に最後のお別れを伝えて、亡くなった人が安心して天国へ行けるように送り出すこと」と。
(きっと安心して、満足してくれたと信じたい。しかし…)
さんざん考えたおじいちゃんは「よし、決めた!」と決意を固め、夕食の場で家族に爆弾発言をしました。
(つづく)