★第193話「おじいちゃんの生前葬が終わって」

おじいちゃんの生前葬が終わり、互助家にまた穏やかな時間が流れています。そんなある日曜のこと―。

お母さん「あら、お義父さん。お蕎麦を作ってくれるんですか？」

生前葬のおもてなしで蕎麦打ちに挑戦したおじいちゃんは、すっかりはまってしまった様子。以降、家でも何度か蕎麦を打って振舞っていました。おじいちゃんは蕎麦を打ちながら「これが楽しいんだよ。そのうち蕎麦屋をやろうかな。ははは」

おばあちゃん「あらあら、調子に乗っちゃって…！」

お父さん「生前葬をやって、ますます元気になったみたいだな（笑）」

そこでおじいちゃんは思い出したように、「あ、そういえば、おばあちゃんのためにまた互助会に一口入っておいたぞ。私の生前葬も無事に終わったし、これでもう何があっても安心だ」

おばあちゃんは「ありがとう。でも、縁起でもないこと言わないで。私のお葬式は、おじいちゃんが喪主を務めてね」とにっこり笑顔を見せます。

おじいちゃん「こりゃ、1本取られたな。ははは！」

まだまだ元気なおじいちゃんとおばあちゃん。お父さんとお母さんは、仲睦まじい二人を微笑ましく見守っていました。
（完）