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互助家のひとびと

第151話~第153話 みんなで“次男応援団”結成!

★第151話「みんなで“次男応援団”結成!(1)」

おじいちゃんは無言のお父さんを気にかけながら、声高らかに宣言しました。

おじいちゃん「そこで提案なんだが、我々で応援団を結成しよう!」

お母さん「応援団??」

おじいちゃん「そう。かわいい子ども、孫を応援しながら、我々も社会貢献しようじゃないか!」

おじいちゃんの提案は、互助家全員でボランティアに参加すること。そうすれば児童養護施設の人手不足も若干解消され、次男は大学を辞めずにボランティアを続けられるのではと考えたのです。

おじいちゃん「職員の方に相談してみないことにはわからんが、弟の遺した紙芝居があるし、本の読み聞かせや、どこかを掃除するのだっていいかもしれない」

おばあちゃん「何か手伝えることがあるわ、きっと」

お母さん「お父さんは絵や工作もいいわよね。得意でしょ?」

一同の注目がお父さんに集まると、「…平日は無理だが、まあ、休みの日なら」と前向きな返事が。こうして次男の応援団が結成され、おじいちゃんは満足そうに微笑みました。(つづく)


★第152話「みんなで“次男応援団”結成!(2)」

おじいちゃんの呼びかけで結成された、次男の応援団。書斎に呼ばれた次男は「えっと、みんなも児童養護施設でボランティアするの??」とキョトンとしています。

お父さん「そうだ。だからお前は卒業まで頑張りなさい。大学は就職までのつなぎの場じゃないだろう。たくさん本を読んだり、人と出会ったり、ボランティアもそうだがいろんな経験をしなさい。…この間はちゃんと話を聞かなくてすまなかったな」

次男「ううん。お父さん、ありがとう。おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんも、ありがとう!」

お父さんと次男が仲直りし、やがて一同は和やかに新年を迎えました。

おばあちゃん「今年からボランティアが始まるわね。この歳で新しい経験ができるなんて嬉しいわ」

おじいちゃん「そうだな。平成27年も良い年になりそうだ」

ところがその矢先、「平成27年…? 大変! うっかりしてたわ!」と慌てだしたお母さん。いったい、どうしたのでしょう?(つづく)


★第153話「次男の成人式(1)」

新年が明けて間もなくのこと。

お母さん「平成27年ってことは、もうすぐ成人式じゃないの…!」

そう、もうすぐ次男は成人式を迎えます。しかし、次男の大学中退騒動と年末の忙しさから、お母さんはすっかり忘れてしまっていました。

おじいちゃんは目を細めて「そうか、成人式かぁ。早いものだな」としみじみ。打って変わってお母さんは「どうしましょう…! 何の準備もしてないわ…」とあたふたしています。

「いいよ、いいよ。男なんだし、ちょっときれいな服着て行くよ」と明るく笑う次男ですが―。

お母さん「ダメよ。大切な儀式なんだから」

おじいちゃん「そうだな。学生とはいえ、成人としての第一歩。きちんとしないと」

おばあちゃん「そうね。今から何とかできないかしら…?」

頭を悩ませるお母さんたち。
…あら? いつの間にかお父さんの姿が見えなくなっています。(つづく)

 

 
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