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第145話~第147話 おじいちゃんは名探偵!
★第145話「おじいちゃんは名探偵!(1)」
突然、次男が大学を辞めたいと言い出し、お父さんが激怒。以来、二人はまともに口を聞かず、ギクシャクしたまま4日が過ぎました。
そんな水曜の午後―。
クローゼットで探しものをしているおじいちゃんに、「あら、何かお探し?」と声を掛けるおばあちゃん。
おじいちゃん「あのコートと帽子、どこにやったかな」
おばあちゃん「どのコートと帽子ですか?」
おじいちゃんが探していたのは、昔よく着たトレンチコートとハンチング帽。おばあちゃんに出してもらって着てみると、気分はすっかり探偵です。
おばあちゃん「そんな格好して、どこに行くの?」
おじいちゃん「フフフ、ちょっとな」
おじいちゃんは次男を尾行するつもりでいました。次男が水曜の夕方に決まってどこかに出かけているのを知っていたのです。(つづく)
★第146話「おじいちゃんは名探偵!(2)」
おじいちゃんがエンディングノートを書いた際、おじいちゃんの若かりし頃の趣味がギターと知った次男。以降、次男は毎週水曜日に大学から帰ると、おじいちゃんからギターを習い、一緒に弾くことを楽しみにしていました。しかし、次男がある日を境に「水曜は用事ができたから…」と出かけるようになったのです。
次男が大学を辞めたいと言い出した時、おじいちゃんはこの“水曜の用事”が関係しているのではないかと思っていました。そして居ても立っても居られず、尾行して探ってみることに―。
家を出て、駅まで颯爽と歩いていく次男。その5mくらい後を、トレンチコートを着たおじいちゃんが従いていきます。ハンチング帽にサングラス、手には新聞を持って。程なく次男が急に止まって靴紐を結び直すと、おもむろに新聞を広げるおじいちゃん…!
こんな調子でおじいちゃんの尾行は成功するのでしょうか?(つづく)
★第147話「おじいちゃんは名探偵!(3)」
毎週水曜日に外出する次男の行き先を突き止めようと、おじいちゃんが尾行を始めました。しかし探偵気取りで張り切っても、やはり素人。次男は背後に怪しげな気配を感じているようです―。
(トレンチコートを着た男に後をつけられてる…。探偵?? いやいや、まさか…)
三歩進んで、くるっと振り返る次男。おじいちゃんは慌てて新聞を広げます。
次男が本屋に立ち寄れば、おじいちゃんも店内でうろうろ…。次男は怪しい男の正体を確かめようと、本棚の陰から盗み見ました。
(あれ!? あの靴、あの派手な健康スニーカーはおじいちゃんじゃないか! …そうか、僕のことを心配して…?)
次男は覚悟を決めておじいちゃんに一気に近寄り、「おじいちゃんでしょ?」。おじいちゃんは驚きのあまり「は、はい!」と勢いよく返事をし、サングラスを外しました。
次男「おじいちゃんには全部話すよ。今から行く所に、一緒に来て」
2人は本屋を出て、再び駅に向かいました。(つづく)