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第130話~第132話 お母さんの出産の思い出
★第130話「長女の里帰り出産(2)」
病院に到着して入院の手続きをし、長女はすぐに陣痛室へ。初産ということもあってか、長女の陣痛は長く続いています。
「まだまだかかりそうだねぇ」とおばあちゃん。そこへ携帯電話を持ったお母さんが戻ってきました。
長女「…カズオさん、何だって?」
お母さん「飛行機のチケットが取れたから、すぐこっちに来るって。お父さんに空港まで迎えに行ってもらうことにしたわ」
「…そう。明日、月曜日なのに、仕事、大丈夫なのかな…」と、息をするのもつらそうな長女。
お母さんは長女の腰をさすりながら「大丈夫だから来てくれるんでしょ。あなたはそんなこと心配しなくていいの。カズオさんだってずっと楽しみにしてたんだから、福岡で待っていられないのよ、きっと」と言いました。
長女「そうだね…。あー、イタタタタタ! …お母さんもこんなに大変だった?」(つづく)
★第131話「お母さんの出産の思い出①」
陣痛室で痛みに耐えている長女が、お母さんに出産したときの話を聞きました。
「やっぱり初めてのとき、お兄ちゃんを産んだときが一番大変だったわね」と明るく答えるお母さん。おばあちゃんも「大騒動だったねぇ。みんな、初めてだったから」と話に加わります。
長女「みんな初めてって、どういうこと…?」
「お父さんにとって初めての子だし、おじいちゃんやおばあちゃんにとっても初孫だからね。特にお父さんとおじいちゃんは舞い上がっちゃって。あの頃はこんな便利なものがなかったからね」とおばあちゃんが手に取ったのはペットボトル。キャップにストローが取り付けられているものです。
おばあちゃん「お父さんがお母さんにお茶を飲ませようとしたら、びゃぁーってこぼしちゃったのよ」
お母さん「そんなこともありましたねぇ。お父さんたら慌てちゃって(笑)」
「今はいろいろ便利になってるし、病院もこんなに綺麗。大丈夫だから安心なさい」と穏やかに笑むおばあちゃん。長女は少し楽になった気がしました。(つづく)
★第132話「お母さんの出産の思い出②」
「お義父さん、おじいちゃん、こっちです! こっち!」と廊下から声が聞こえました。福岡から駆けつけた長女の夫・カズオとお父さん、おじいちゃんが到着したようです。
「カズオくん、病院で走っちゃダメだろう。はぁ、はぁ」と息切れしているお父さん。
カズオ「走ってませんよ。競歩です!」
お父さん「ぬ! 今のは走ってただろう。競技なら失格だ」
カズオ「いや、走ってないです」
おじいちゃん「まぁまぁ、どっちでもいいから仲良く…。はぁ、はぁ」
廊下で妙なやり取りをしていた3人が、我先にと陣痛室に入って来ました。「大丈夫か!?」
長女はベッドで陣痛に耐え、お母さんが腰をマッサージしています。
お母さん「あら、カズオさん、遠いところをありがとう。お父さんもおじいちゃんもお疲れ様」(つづく)