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互助家のひとびと

第127話~第129話 長女の里帰り出産

★第127話「里帰りする長女のために(1)」

旦那さんを一人にするのは忍びない、と福岡での出産を予定していた長女。長女は遠慮しましたが、お母さんはしばらくの間、フォローをしに福岡に滞在するつもりでいました。しかし、まだ慣れない地で初めての出産を経験することに心細さを覚え、長女が「やっぱり里帰り出産したいんだけど、いい?」と電話をしてきたのです。

もちろんお父さんもお母さんも大賛成! おじいちゃんもおばあちゃんも大喜びです。

それからお母さんとおばあちゃんは大忙し。まず、長女が結婚前に使っていた部屋を妊婦用に模様替えしました。

お父さんとおじいちゃんもやる気満々ですが、お母さんたちが慣れた風にテキパキと進めるため、手を出す隙がありません。

お母さん「ここは大丈夫ですから、おじいちゃんたちはお茶でも飲んでいてください」

そして最後に、長男の息子が使っていたベビーベッドとメリーゴーランドを借りてきてセット。しかし、お父さんとおじいちゃんは納得していない様子です。(つづく)


★第128話「里帰りする長女のために(2)」

長女の里帰り出産の準備を始めた互助家の面々。長男の息子が使っていたベビーベッドとメリーゴーランドをセットしたところ、お父さんとおじいちゃんは何やら引っかかることがあるようです。

お父さん「やっぱりベビーベッドは新品を買ってあげたいなぁ」

おじいちゃん「そうだな。おさがりなんて不憫だ」

お父さん「そうそう。古い物を使わせるくらいなら、手作りしてやりたいよ」

おじいちゃん「おお、それはいい! 名案!」

お母さんとおばあちゃんは顔を見合わせ、「やれやれ」と苦笑。

おばあちゃん「いいのよ、お古でも。きれいに使ってたものなんだから」

お母さん「新しいベビーベッドは福岡に送ってあげますしね。この家で使うものはこれで十分。それにほら、そろそろ(長女が)帰ってきますから」

お父さんたちはちょっぴりすねていましたが、「ただいまー!」と長女の元気な声が聞こえると、パッと顔を輝かせました。(つづく)


★第129話「長女の里帰り出産(1)」

出産のために長女が里帰りし、互助家は一気に賑やかに。いつもの食卓がパッと明るくなり、「ねえ、男の子? 女の子?」と次男も嬉しそうです。

長女「聞いてないの。生まれて来るまで楽しみに待とうって」

お母さん「それなのにお父さんたら、あんなにもたくさんベビー服を買ってくるんだもの(笑)」

お父さん「き、黄色なら、男でも女でも着られるからいいって言ったじゃないか」

おばあちゃん「それにしても買いすぎだわね」

お母さん「買いすぎです(笑)」

また一笑い起こると、おじいちゃんは心の中で「気持ちはわかるぞ」とつぶやき、お父さんを慰めました。
   
やがてある日曜の午後、「痛っ…!」とついに長女の陣痛が。

お父さんは「お、おい! 大丈夫か!? しっかりしろ! しっかりしろ!」と大慌て。おじいちゃんも慌てて、長女の周りをウロウロしています。

お母さんは「大丈夫。しっかりしてるわよ」とお父さんを落ち着かせ、おばあちゃんと共に長女を連れて病院に向かいました。(つづく)


 

 
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