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互助家のひとびと

第100話~第102話 おじいちゃんの弟の死

★第100話「男3人の互助会トーク③」

最期まで家族を守ろうとするおじいちゃんの心意気に感心した、お父さんと長男。男3人の酒盛りはまだまだ続いています。

長男「うん、おじいちゃんはまだまだ若いよ。父さんよりおじいちゃんのほうが、肌がツヤツヤしてるんじゃない?」

おじいちゃん「お前、そんなに苦労してるのか…? 何か悩みでもあるのか?」

ドキッとして自分の頬をさわるお父さん。すると目の前に、次々とお皿が。ほうれん草のおひたしやら、筑前煮やら、野菜たっぷりのおつまみです。

お母さん「あなたは単なる野菜不足ですよ。はい、どうぞ♪」

おばあちゃんとお母さんは男3人のトークをクスクスと聞きながら、おつまみを用意してくれていたのでした。

お母さん「それで、互助会はどうするの?」

お父さん「父さんと俺と、1口ずつ入ることにしたよ」

互助家で新たに2口契約することに決めました。(つづく)


第101話「おじいちゃんの弟の死」

プルルルルルルル、プルルルルルルル…

ある晴れた日の午後のことです。
平和で穏やかな互助家に、鳴り止まない電話が。庭の手入れをしていたおじいちゃんは慌てて電話台に向かいました。

「はい、互助です。はい。はい、そうです。ええっ…!」

それはおじいちゃんの弟の訃報を知らせる電話でした。

おじいちゃんには3歳下の弟がいます。10年前に奥さんを病気で亡くしてから一人暮らしをしていましたが、脳溢血で倒れ、運ばれた病院で亡くなったとのこと。

おじいちゃんは一瞬、頭が真っ白になりましたが、すぐさま家を飛び出し、病院へ―。

(まさか、まさか弟が先に逝ってしまうなんて…!)

おじいちゃんは病院に向かうタクシーの中で、信じられない思いでいっぱいでした。(つづく)


★第102話「おじいちゃんの涙」

病院に着いたおじいちゃんは、すでに動かなくなってしまった弟と対面しました。 たった一人の兄弟の死に目に会えず、おじいちゃんの頬にただただ涙が流れます。

(ついこの前だって、元気だったじゃないか! なんで、こんなことに…!)

おじいちゃんと弟は、長女の結婚式で会ったばかり。弟はいつも通りに若々しくハツラツとしていて、おじいちゃんはまさか弟が急に亡くなるとは思いもよらなかったのです。

(人って、こんなにもあっけないものなのだろうか…)

おじいちゃんの弟は定年退職後、畑を借りて野菜を育てたり、散歩や趣味のゴルフをしたり、人一倍、健康に気を遣っていました。それでも神様のいたずらなのか、一寸先は、誰にもわからないものです…。

おじいちゃんは涙をぬぐいながら外に出て、電話をかけました。(つづく)

 

 
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