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互助家のひとびと

第73話~第75話 お父さん、長女の結婚観に迫る

★第73話「お父さん、長女の結婚観に迫る①」

お母さんが長女に話しかけ、「そういえばゴールデンウイークにカズオさんと旅行するって言ってたけれど、行き先は決まったの?」と恋人の話題を持ちだしました。

「ううん、まだ。最近とっても忙しいみたいで。年度末だから仕方ないけどね」と長女。

「そう、そんなに忙しいの。…体は大丈夫かしら。心配だわ。ね、お父さん」とお母さんがさりげなくお父さんにパスを出すものの、お父さんは「ね、年度末だからな!」と緊張でガチガチ。

予想外に大きなお父さんの声に、一同はぽかーん…。

「お父さん、どうしたの? お酒を飲んで酔っぱらっちゃった?(笑)」と長女が茶化すと、お父さんは「おまえ、そろそろ結婚するつもりか? まだしないのか?」。

お父さんは酔っているわけではありませんが、身もふたもない言い方でついに切り出しました。(つづく)


★第74話「お父さん、長女の結婚観に迫る②」

突然、長女に結婚の意思を尋ねたお父さん。長女のみならず一同が「け、結婚?」とびっくりしています。

そこでお母さんが「ほら、このあいだ、お友達の結婚式に出席して、羨ましそうにしてたでしょ? だからちょっと気になったのよ」と、すかさず助け舟を。

長女はなるほど、と納得した様子で「あぁ、友達がとってもキレイで幸せそうだったからね。でも、私はまだまだ」。

お母さん「あなた、今年27になるでしょ。そろそろ結婚したいな、とか思わないの?」

長女「う~ん。今、30代でも独身の人はいっぱいいるから、別に…。そもそも貯金もないし。結婚するとしても、結婚式を挙げるかはわからないわ」

お母さんに任せきりにしていたお父さんですが、ここでピクッと眉を動かしました。(つづく)


★第75話「お父さん、長女に“結婚”を語る」

長女は「結婚式を挙げるかわからない」と言うと、食事を終えて自室に戻っていきました。お父さんは聞き捨てならないといった表情で箸を止め、お母さんは心なしかションボリして見えます。

お父さんは長女の部屋に行き、自分の考えを伝えることにしました。

「長く付き合ってるからこそ、けじめとして、式を挙げたほうがいいんじゃないか?」

「結婚式は、お世話になった人たちに感謝を伝える場でもあるんだから」

「お金のことが心配なら、お父さんは親として援助するつもりだ」

そして何よりもお父さんが伝えたかったのは、お母さんの気持ち。

「お母さん、ションボリしてたぞ。子供の中でも娘の結婚式は格別だ。娘の晴れ姿を楽しみにしていない母親なんていないだろう」

お父さんはなるべく穏やかに、押しつけがましくなく話したつもりでした。しかし、長女は…(つづく)。

 

 
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