★第70話「お父さん、結婚費用の額に頭を抱える」

老後の楽しみについて考えようとしていたお父さんですが、独身の子ども二人のセレモニーにかかる費用が気になってきました。

（最近の結婚式は、いくらかかるんだ…？）

すでに結婚して独立している長男は海外で挙式をしたため、国内での一般的な結婚費用がどのくらいなのか、お父さんは知らないのです。

そこでインターネットで調べてみると…
〇費用総額（全国平均）→343.8万円
〇親・親族からの費用の援助（首都圏平均）→187.2万円
※「ゼクシィ結婚トレンド調査2012」より

（なるほど、親としては200万円くらい用意しておいた方がいいのか。どんな結婚式を挙げるかによるだろうが、やはり結構な額だな…）

多少の覚悟はしていたものの、真剣な顔つきにならざるを得ないお父さんでした。（つづく）


★第71話「お父さん、結婚費用の額に焦る」

結婚費用を調べたお父さんは、お母さんにこっそりお願いをしました。

「いつ結婚するつもりなのか、どんな結婚式を挙げたいのか、ちょっと聞いてみてくれよ。女だったらふつう“理想の結婚式”みたいなものを考えてるだろ？」

どうやらお父さんは長女の結婚観が気になり、焦っているようです。

「ほら、昔と違って今は結婚式のスタイルもいろいろあるようじゃないか。レストランでカジュアルに、とか、披露宴はやらずに挙式だけとか、写真だけとか。それによってこっちの準備や心構えも変わってくるだろう？」

一気にまくしたてるお父さんに、お母さんは目をパチクリ。思わず吹き出しました。

「あはは！　どうしたの、いきなり（笑）」

そして、お母さんから思わぬ提案が。

「今度、夕飯を食べているときにでも直接聞いてみましょうよ」（つづく）


★第72話「互助家、久しぶりに全員で食卓を囲む」

3月のある晩、一家全員が久しぶりに食卓で顔をそろえました。
晩ご飯のメニューは、水炊き。まだ寒さの残る春の夜にぴったりです。

「全員そろうなんて珍しいなあ」とニコニコ顔のおじいちゃん。「アルバイトは休みなのかい？」と孫（次男）に声をかけています。

おばあちゃんもやっぱり嬉しそう。鍋に手を伸ばす孫（長女）に「おばあちゃんが取ってあげるよ」と世話を焼いています。

そんな祖父母と孫たちの微笑ましい一幕を、お母さんが穏やかな笑顔で見つめていました。

一方、お父さんは落ち着きがなく、ドキドキ＆ソワソワ…。長女の結婚観を聞き出そうと、話しかけるタイミングを図っているのです。しかし緊張のせいか、なかなか切り出せません。

その様子を見かねたお母さんは…（つづく）。