ごじょクルは、大切なご家族を守るために、冠婚葬祭の積立やセレモニーのご準備をお手伝いをいたします。
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第31話~第33話 おじいちゃん、北山さんの音楽葬へ
★第31話「おじいちゃん、北山さんの音楽葬へ」
通夜の翌日、おじいちゃんは再び、セレモニーホールを訪れ、北山さんの葬儀に参列しました。
北山さんの葬儀は「音楽葬」。
開式前、まだ会葬者のまばらな場内に音楽が流れています。
「この曲、『サウンド・オブ・サイレンス』か。懐かしい。北山くんはサイモン&ガーファンクルが好きだったなぁ。私も彼の影響で、よく聴くようになったんだった」
「そうだ。北山くんと仲良くなったのも、会社のギターサークルがきっかけだった。お互い、結婚してからは少しずつサークルから足が遠のいてしまったけれど、よく一緒に弾いたなぁ…」
おじいちゃんは心地よく流れる音楽に耳を傾けながら、若き日のことを思い出していました。(つづく)
★第32話「おじいちゃん、思い出の曲に感動」
北山さんの葬儀は滞りなく進行し、故人を紹介するとき、献花を行なうとき、閉会の辞のときなど、場面場面で音楽が流れました。おじいちゃんにとっても、どれも思い出の曲ばかりです。
なかでも、サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』は、おじいちゃんと北山さんにとって特別な曲。二人が初めて大ゲンカし、仲直りのきっかけになった曲でした。
その『明日に架ける橋』を、北山さんの息子さんが父親譲りのギターで生演奏したとき―。
おじいちゃんは涙を堪えきれず、ぼろぼろと泣いてしまいました。
きっときちんと手入れされていたのであろうギターの、温かくやさしい音色に感動したおじいちゃん。「もう一度、一緒にギターを弾きたかったよ…」と心の中でつぶやきました。(つづく)
★第33話「おじいちゃん、つくねを味わう」
昼食にはお弁当が振る舞われました。メインのおかずは、北山さんの大好物だったつくねです。
「そういえば、北山さんはつくねが大好きだったわね」
「そうそう、一緒に焼き鳥屋に行くと、必ず最初に食べたがるんだよ。うっかり注文し忘れたときには、大慌てで追加注文だよ。それでシメも、必ずつくね!」
「そうそう! ふだんは優しくて穏やかな人なのに、つくねに関してはよく熱く語ってたわ」
参列者たちがあちらこちらで北山さんの思い出話に花を咲かせています。
笑い混じりの温かなムードに、おじいちゃんの心も慰められた様子。「本当に良い葬儀だ。これも北山くんの人徳だな」としみじみ思いながら、つくねをほおばりました。
そこへ北山さんの奥さんが「互助さん」と声をかけてきました。(つづく)