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互助家のひとびと

第25話~第27話 おじいちゃんに、突然の訃報

★第25話「互助家のお彼岸とおはぎ」


ある秋の晩、おばあちゃんとお母さんがキッチンでおはぎを作っています。

そこに長男がやって来て「うまそー!」とつまみ食いしようしたところ、お母さんが「ダーメ。お仏壇にお供えしてからよ」。

長男「あ、お彼岸だ。和尚さん、明日来るんだっけ?」

互助家ではお墓の引越しを進めていますが、完了するのはもう少々先。今年の秋のお彼岸はお墓参りに行かず、僧侶に読経してもらって自宅で供養することにしたのです。

お母さんが最後のおはぎを作り終えたとき、キッチンにおじいちゃんとお父さんがやって来ました。

「うまそー!」とつまみ食いしようとする2人。おばあちゃんとお母さんはすかさず「ダーメ!」

おじいちゃんはちょっぴりシュンとしながら仏壇におはぎをお供えし、静かに手を合わせました。(つづく)

◆冠祭豆知識
実は日本にしかない「お彼岸」
http://www.gojyokuru.net/kankonsosai/knowledge/04.html



★第26話「おじいちゃんに、突然の訃報」

ある秋の日、電話に出たおじいちゃんがひどくショックを受けています。

「…あまりに突然のことで言葉も見つかりません。心からお悔やみ申し上げます。お辛いでしょうに、ご連絡恐れ入ります。あいにく遠方のため、すぐに伺うことが叶わないのですが、今後の日程などはお決まりでしょうか」

「喪主、宗派もお分かりでしたら教えてくださいますか」

おじいちゃんはメモを取りながら、「通夜と葬儀の日時・場所、喪主、宗派」を復唱します。そんなおじいちゃんをおばあちゃんが心配そうに見つめています。

ほどなくおじいちゃんが電話を切りました。
「同期の北山くんの奥さんからだ。北山くんが亡くなった」

「まぁ…」
おばあちゃんも言葉を失いました。(つづく)



★第27話「おじいちゃん、通夜の準備」


おじいちゃんの会社員時代の同期、北山さんの訃報が届きました。

「定年後、彼が引っ越してからはなかなか会えなかったが…、残念だ」

「そうですね。うちにもよく来てくださったけど…」とおばあちゃんも悲しそうです。そして「お通夜はいつですか?」

通夜は3日後、葬儀は4日後。
おばあちゃんは、てきぱきと準備を始めました。

「喪服は少し前に見たんですが、靴も磨いておくわ。あとお香典ですね」

おじいちゃんは友人の死を受け止めきれず、戸惑っている様子です。

「…あなたは北山さんをゆっくり偲んであげて。準備は私にもできますから」 

「ありがとう」とおじいちゃんは感謝し、書斎に行きました。(つづく)

◆葬儀、法要の常識・非常識
http://www.gojyokuru.net/kankonsosai/funeral/
 

 
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