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互助家のひとびと

第16話~第18話 長男(孫)、おじいちゃんにお葬式の思い出を語る

★第16話「長男(孫)、おじいちゃんにお葬式の思い出を語る」

長男(孫)は「じゃあさ、おじいちゃん、ちょっと散歩しようよ」とおじいちゃんを気分転換に連れ出すことにしました。

近所の河川敷を歩く2人。

「俺ね、1年くらい前に会社の上司のお葬式に行ったんだよ」

長男(孫)は、上司がまだ50代で若かったこと、お葬式会場に流れた音楽や思い出の品から上司がロック好きだとわかったこと、でも実は気難しい上司が苦手でプライベートな話はほとんどしなかったこと、を話しました。

「上司がこういう人だったんだってわかって、お葬式に行ってよかったって思ったんだ。俺もロック好きだし、実は気が合ったのかもしれないなぁとか思ったけどね」

おじいちゃんは「そうか。いいお葬式だったんだな」と微笑みました。(つづく)


★第17話「おじいちゃん、第2章を書き上げる」

おじいちゃんは家に戻る長男(孫)を見送り、再びエンディングノートを開きました。

「よし、思った通りに書いてみよう。気が変わったら、また書き直せばいいさ」

おじいちゃんは“お葬式をしてほしい場所”を暮らし慣れた自宅に指定し、鼻歌を歌いながら次々と記入していきます。

「お葬式の規模は、一般的で」

「葬列者へのおもてなしは、会食も返礼品も“標準”。“ふつう”が一番私らしい」

「ビデオを使った演出は恥ずかしいが、音楽は流してもらおう。やっぱりジャズがいいな」

「飾ってほしい“思い出の品”は・・・」と書斎を見渡し、家族との写真と、これまで家族にプレゼントしてもらった物を書き出しました。

そして遺影写真を撮影するため、おばあちゃんを写真館に誘うことに。(つづく)


★第18話「おじいちゃんとお墓」

エンディングノートを順調に書き進めているおじいちゃん。
次は3章“わたしのお墓”です。

エンディングノートに書かれている項目は
①    自分の死後、お墓を守ってくれる人がいるか
②    自分が入るお墓をもっているか
③    お墓をもっていない人は、お墓の購入予定はあるか
④    希望するお墓の条件(墓地、公営の霊園、民間の霊園など)
⑤    希望するお墓の場所
⑥    希望するお墓の雰囲気

「お墓かぁ・・・」とあれこれ想いをめぐらすおじいちゃん。

互助家のお墓は、すでにあります。しかし、今の住まいから遠い地にあり、おじいちゃんは年齢を重ねてからお墓参りに少々負担を感じていました。(つづく)

 
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