★第4話「長男、おじいちゃんに物申す」
日本人の平均寿命は、男性が79.44歳、女性が85.90歳(平成23年簡易生命表より)。72歳にして元気なおじいちゃんも、エンディングノートを使って“終活”を始めました。
それを知った長男は
「でもそれなら、おばあちゃんに相談したほうがいいんじゃないの? おばあちゃんだって、おじいちゃんが一人でいろいろ決めちゃったら面白くないだろう」
「そうなのか…?」と考え込むおじいちゃん。
「むしろ、おばあちゃんも終活を始めたほうがいいんじゃないかな。女のほうが平均寿命は長くても、おばあちゃんももう70歳だし。考えたくないけど、何があるかわからないしさ」
こんなおじいちゃんと長男(孫)のやり取りを、愛犬がこっそり見ていました。(つづく)
★第5話「終活、一人でする? 夫婦でする?」
長男(孫)から、おばあちゃんと一緒に“終活”を始めたほうがいいと提案されたおじいちゃん。
「そうだな、お前の言う通りだ。家族に迷惑をかけないように、きちんと終活しなきゃって思ってたけど…」
長男はスマートフォンを使い、“終活”についてサクサクと調べています。
「ちょっと調べたら、夫婦で終活している人も多いよ。それに終活って、おじいちゃんは家族のためって言うけど、自分のためにするものでもあるんでしょ?」
「ワン!」と、長男の足元に座っていた愛犬がおじいちゃんに代わって返事をしました。
「わははは!」と笑いながら、腑に落ちた様子のおじいちゃん。さっそくおばあちゃんを誘うことにしますが…(つづく)
★第6話「エンディングノートと遺言、何が違うの?」
長男(孫)の提案で、おばあちゃんを“終活”に誘うことにしたおじいちゃん。まずはおばあちゃんの分の“エンディングノート”を用意し、説明しました。
しかしおばあちゃんは、「遺言と何が違うの?」と素朴な疑問。
「ええっと、遺言には法的な効力があって、民法で定められている方式にのっとって書かなければいけない。一方、エンディングノートには法的な効力はないんだが、その分、自由に気軽に書ける。後から書き直したっていいんだ」
ふむふむ、と頷きながら聞いているおばあちゃん。おじいちゃんは続けて…(つづく)