ごじょクルは、大切なご家族を守るために、冠婚葬祭の積立やセレモニーのご準備をお手伝いをいたします。
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第115話~第117話 おじいちゃんが抱えている悩み
★第115話「おじいちゃんが抱えている悩み」
弟の四十九日の準備を着々と進めているおじいちゃん。しかし、まだ誰にも相談していない、大きな悩みがありました。
「さて、納骨をどうしたものか…」
本来なら弟のお骨は、代々守られてきた互助家のお墓に入ります。しかし弟がおじいちゃんに宛てた手紙には、実はもう一つ、重要な遺言が記されていたのです。
「私の骨はお墓に納めず、海に散骨してほしい」
この遺言を初めて目にしたとき、おじいちゃんはとても驚いて言葉を失くしました。しかし読み進めていくと、その海は弟と亡き妻の思い出の地であること、亡き妻のお骨もその海に散骨されていたこと、がわかったのです。
もちろん遺言通り、弟の望みを叶えたい。そうは思っていても、言い知れない複雑な心境になり、おじいちゃんは悩んでいたのでした。(つづく)
★第116話「おじいちゃん、納骨の相談をする」
(いくら遺言でも、弟のお骨を海に散骨するなんて…。やはり互助家代々のお墓に納骨するべきではないのか?)
いくら考えても結論を出せずにいるおじいちゃんは、お父さんに相談することにしました。
その日の夕食後、お父さんはおじいちゃんに呼ばれて書斎へ。おじいちゃんはお父さんに弟の遺言を見せ、悩みを打ち明けました。
「海に散骨…!? 遺言にそんなことが…」とお父さんは驚き、しばらく沈黙の時間が―。そしてゆっくりと静かに話し始めます。
「…どっちが正しいのか、正直に言ってわからない。喪主は父さんなのだから、父さんがいいと思う方にすればいいと思う。ただ…」
「ただ、なんだ?」とおじいちゃん。お父さんは少し言いよどんでいます。(つづく)
★第117話「おじいちゃん、自然葬の話を聞く」
おじいちゃんの弟の納骨について、悩みを打ち明けられたお父さんは「ただ…、本当に、お墓に納骨する“べき”なのかな…」と、やや遠慮気味に言いました。
「どういうことだ?」と訊き返すおじいちゃん。
お父さんは「いやね、最近では散骨する人も増えているみたいだから。少し前のことだけど、会社の部下から自然葬をしたって話を聞いてね。山登りが好きだったお父さんが、山に散骨してほしいと生前予約をしていたそうなんだ」と話しました。
「生前予約か。それほど自然葬を強く希望する人もいるんだな。弟も、遺言に書いたということはそうなんだろう…」
再び考えこんでしまったおじいちゃんに、お父さんはこう言いました。
「もしも俺が父さんの立場で、父さんが散骨してほしいという遺言書を残していたら、そうすると思う。俺はいっしょの墓に入りたいと思ってるけどさ(笑)」(つづく)