家族が亡くなったときにしなければならない届け出や手続きの第2弾です。今回は保険や年金に関係する届け出・手続きをご説明します。一部前回と重複する内容もありますが、保険・年金関係だけをまとめてみました。
葬儀の後でも良いが死後できるだけ速やかに届け出るもの
年金受給権者死亡届
死亡したことで年金を受給する資格を喪失したことを届け出ます。
提出期限:死後10日以内(国民年金は14日以内)
提出先:社会保険事務所、市区町村の国民年金課
その他:年金証書、除籍謄本が必要
介護保険資格喪失届
故人が65歳以上、または要介護認定を受けている40歳以上65歳未満の場合に、介護保険の受給資格を喪失したことを届け出ます。
提出期限:死後14日以内
提出先:市区町村の介護保険担当部署
その他:介護保険被保険者証も返却する
雇用保険受給資格者証の返還
故人が雇用保険を受給していた場合に必要となります。
返納期限:死後1カ月以内
返納先:受給手続きを行ったハローワーク
その他:受給資格者証、死亡診断書、住民票などが必要
死後2年以内に手続きが必要
生命保険
故人が生命保険に加入していた場合に、死亡保険金が支払わられます。
申請期限:死後2年以内
申請先:生命保険会社
その他:死亡保険金請求書、保険証券、保険料領収書、被保険者(故人)と保険金受取人の戸籍謄本、死亡診断書、保険金受取人の印鑑証明書などが必要
国民年金の死亡一時金請求書
支給要件:故人が国民年金保険料を36カ月以上納めていて、老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受給せずに亡くなった
支給対象:故人の収入で生計を維持していた遺族
支給額:保険料の納付期間に応じた額
提出期限:死後2年以内
提出先:市区町村の国民年金課など
その他:年金手帳、除籍謄本、住民票写し、印鑑、振込先口座番号などが必要
健康保険埋葬料(費)支給申請書
支給要件:故人が健康保険組合の加入者(本人、家族とも)
支給対象:喪主(葬儀を行った遺族)
支給額:葬儀・埋葬の補助金として5万円
提出期限:死後2年以内
提出先:加入していた健康保険組合、社会保険事務所
その他:健康保険証、死亡診断書のコピー、印鑑、振込先口座番号などが必要
国民健康保険の葬祭費支給申請書
支給要件:故人が国民健康保険組合の加入者
支給対象:喪主(葬儀を行った遺族)
支給額:金額は自治体により異なる
提出期限:死後2年以内
提出先:市区町村の国民健康保険の窓口
その他:国民健康保険証、死亡診断書のコピー、葬儀にかかった費用の領収書、印鑑、振込先口座番号などが必要
労災保険の葬祭料請求書
支給要件:業務上の事故が原因で亡くなった故人が労災保険に加入していた
支給対象:葬儀を行った人(遺族でなくても可)
支給額:①315,000円+給付基礎日額×30日分、②給付基礎日額×60日分、のいずれか高い方
提出期限:葬儀から2年以内
提出先:故人の勤務先を所管する労働基準監督署
その他:死亡診断書、死体検案書又は検視調書の写しなど、故人の死亡の事実及び死亡した年月日を証明する書類が必要
高額医療費支給申請書
支給要件:高額医療費制度に基づき、故人の医療費負担が高額だったときに、定められた自己負担限度額を超えた分について支給される
支給対象:遺族
提出期限:死後(医療費支払い後)2年以内
提出先:故人が加入していた健康保険組合、社会保険事務所、市区町村国民健康保険の窓口
その他:健康保険証、医療費の領収書、印鑑、受取人の振込先通帳または口座番号などが必要
死後5年以内に手続きが必要
国民年金遺族基礎年金請求書
支給要件:故人が、国民年金の加入者で次の条件を満たしている
①保険料納付期間(免除期間を含む)が加入期間の3分2以上
②亡くなった2カ月前までの1年間に保険料の未納がない
支給対象:故人の収入で生計を維持していた、18歳到達年度の末日までにある子(障害の状態にあるときは20歳未満)のいる配偶者または子
提出期限:死後5年以内
提出先:市区町村の国民年金窓口
その他:故人の年金手帳、戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、故人の住民票除票、請求者および子の収入が確認できる書類、死亡診断書の写し、印鑑、振込先口座通帳または口座番号などが必要
国民年金寡婦年金請求書
支給要件:故人が、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が10年以上
支給対象:故人と10年以上継続して婚姻関係にあり、故人の収入で生計を維持していた妻
提出期限:死後5年以内
提出先:市区町村の国民年金窓口
その他:故人の年金手帳、戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、故人の住民票除票、請求者および子の収入が確認できる書類、死亡診断書の写し、印鑑、振込先口座通帳または口座番号などが必要
遺族厚生年金支給申請書
支給要件:故人が、厚生年金の加入者で、次のいずれかに該当する
①被保険者期間中(在職中)に死亡するか、被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡した(遺族基礎年金同様、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上)
※ただし2026年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられる
②老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡した
③1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡した
支給対象:故人の収入で生計を維持していた次の遺族
①妻
②子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
③55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)
※30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となる
※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限る)は、遺族基礎年金も併せて受給できる
支給額:厚生年金のおよそ3/4にあたる額
その他:故人の年金手帳、戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、故人の住民票除票、請求者および子の収入が確認できる書類、死亡診断書の写し、印鑑、振込先口座通帳または口座番号などが必要
労災保険の遺族補償年金支給請求書
支給要件:故人が業務上の理由で死亡したとき
支給対象:故人の収入で生計を維持していた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、および兄弟姉妹)のなかで最も優先順位が高い者(受給権者)
※ただし、妻以外の遺族については、「夫、父母、祖父母は55歳以上」、「子、孫は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること」、「兄弟姉妹は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあること又は55歳以上」であるか、または、労働者の死亡当時に一定の障害の状態にある者に限る
支給額:遺族の数(受給権者及び受給権者と生計を同じくしている受給資格者の人数)により変動する。
また、遺族補償年金と厚生年金保険の遺族厚生年金等が併給される場合には、遺族補償年金の額に年金の種類別に定められた一定率をかけた額
提出期限:死後5年以内
提出先:故人の勤務先を所管する労働基準監督署
その他:死亡診断書・死体検案書又は検視調書の写しなど故人の死亡の事実及び死亡した年月日を証明する書類、受給権者及び受給資格者と死亡労働者との身分関係を証明できる戸籍謄本又は抄本、受給権者又は受給資格者が死亡労働者と内縁関係にあった、などが必要