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副葬品としてお棺に入れてはいけない物

記事公開日:2018.11.21/最終更新日:2023.04.03

読了予測:約3分

納棺のときに故人と一緒に納める、故人が愛用した品や思い出の品が副葬品です。故人が寂しくないように、向こうで少しでも楽に過ごせるように、と遺族の想いがこもった品ですが、何でもかんでも入れて良いというものではないんです。

火葬に影響を与える物はNG

現代日本の埋葬は火葬によるものがほとんどです。多くの火葬炉は自治体が運営していますが(東京都は例外的に民間の火葬場が多いです)、その目的は可能な限り短時間で(現代は火葬場にはアキ時間が全くありません)、きれいな状態の遺骨にすることです。そのため、火葬炉が損傷する危険性がある物、燃えない物、可燃性でも燃えにくく火葬の時間を長引かせる危険性があるものなどの、火葬に影響を与える物はお棺に入れないように心がけましょう。具体的な一例を次にあげてみます。

①火葬炉を損傷する危険性ある物

・カーボン製品(杖、磁気テープ、使い捨てカイロ、ゴルフクラブ、テニスなどのラケット、竹刀、釣り竿、義肢や義手など)

火葬炉によって違いはありますが、多くの火葬炉はカーボン製品が納められていると、緊急停止するそうです。絶対に入れてはいけない物の1つですね。

②燃えない物

以前六文銭の記事を書きました。三途の川を渡るための冥銭である六文銭も、以前は硬貨を納めていましたが、現代は燃えない物を入れないようにするため、紙に印刷した六文銭を納めています。

・金属製品

・ガラス製品

・爆発性ある物

これら燃えない物は、遺骨を損傷する原因となる危険性があります。

③燃えにくい物

・分厚い本

・大量の衣類など

・果物など大量に水分を含むもの

本や重ねた衣類は実に燃えにくい物なんです。火葬時間が長引くのは、遺族にとっても負担となります。たとえ可燃性の物でも、注意が必要ですね。

④有害物質を発生する可能性ある物

・ビニルを含む製品

・化学繊維を含む製品

・発泡スチロールを含む製品

これらの石油化学製品は上記以外でも、ダイオキシンやばいじん、臭気などの発生原因となります。

⑤その他

遺体を納棺するまでの間、腐敗・損傷から守るために使用するドライアイスや保冷剤は、正常な火葬を妨げる、遺骨損傷の原因となることから、納棺する際には必ず除くようにしましょう。

天国のつえ

天国のつえ

こうしてみると、お棺に一緒に入れていいものは、ほんの僅かしかないことが分かります。特に、故人がご高齢だったときなどは、向こうでも楽に歩けるように愛用だった杖などは入れてあげたくなります。実は、先日ビッグサイトで開催されたエンディング産業展2018で面白いものを見つけました。それが「天国のつえ」です。京都に本店を構える、「つえ屋」さんが開発された製品で、金具、カーボンを一切使用していない木製の杖なのです。故人が愛用した杖ではありませんが、きっと歩く時の助けになってくれるのでしょう。なお、この杖にはお経や故人へのメッセージを書き込むこともできるそうです。

つえ屋さんは京都以外にも東京と大阪に店舗を構えています。また、一部の東急ハンズや西武百貨店、ネットショップでも扱っているそうです。

 

故人への想い納める副葬品も、生前の物そのままを納めることは難しくなっているようです。しかし、「天国のつえ」のように、それに代わる物がこれからも登場してくるのかもしれませんね。