お葬式をとり行うにあたり欠かすことができないのが、葬儀社であり斎場であり火葬場です。家族が亡くなったら速やかにどこに頼むのかを決めなければいけない3つですが、これらを混同していませんか?今更かもしれませんが改めて整理してみます。
葬儀社と斎場の違い
まずは葬儀社と斎場の違いを整理してみます。葬儀社はお葬式全般の運営を行う会社です。斎場はお通夜や葬儀式、告別式を行う会場(施設)のことで、メモリアルホールともいわれています。主な斎場は公営の施設、自治会・町内会などの集会所、民間の貸式場、そして葬儀社が所有する斎場になります。
葬儀社には、斎場を所有している葬儀社と所有していない葬儀社が存在します。現在でも自社斎場を所有していない葬儀社の数のほうが圧倒的に多いのです。自社斎場を所有している葬儀社は、自社の斎場を利用できることはもちろんですが、公営施設などの斎場も利用することができます。一方で自社斎場が無い葬儀社は一般的には公営施設などを借りて使用することになります。
斎場と火葬場
火葬場は遺体を火葬するため施設です。「墓地、埋葬等に関する法律」「都市計画法」「建築基準法」などの法律で規制の定めがあること、住民にとっては迷惑施設であること、そもそもビジネスには馴染まないことなどが理由で、火葬場の経営は市町村が単独で経営するか、複数の自治体が一部事務組合を組成し共同経営とし、いずれも行政サービスの一環として行われているところがほとんどです。東京都だけが、江戸末期から明治にかけて寺院や民間が経営していた火葬場が多く、その系譜に連なる会社組織の火葬場が公営の火葬場よりも数が多いという状況になっています。
公営の火葬場は斎場を併設しているところが多く、その名称を「◯◯斎場」とするところが多いため、火葬場と斎場が同一のように見られていますが、厳密には異なることを知っておいてください。
葬儀社・斎場・火葬場の情報収集
インターネットで検索すると数多くの情報がヒットします。
お葬式の情報収集で必要なのは「お葬式の内容」「場所・施設の内覧」「費用」3つです。施設である「斎場」で検索すると公営斎場が検索結果上位に表示されます。公営斎場は単なる貸式場なので施設使用料が分かる程度です。貸式場の手配は葬儀社が行いますので、貸式場(公営斎場)を調べてもあまり意味はありません。一方で葬儀社は自社斎場を持たない事業者が多いため、「葬儀社」で検索しても斎場の場所や施設の様子が分からないケースが多いです。帯に短したすきに長しなので、悩みどころですが、現在では葬儀のポータルサイトがいくつも運営されています。それらのサイトで基礎情報を収集して、絞り込んだ葬儀社にアプローチするのが無難でしょう。葬儀社についての評価・口コミや、利用できる斎場の情報なども記載されているサイトが増えています。
もう1つの選択肢は互助会です。互助会は会員でなくても利用できるところもありますが、会員には費用の割引などの特典があるので、利用するなら会員となってからにしたいですね。そのため、お葬式をしなければいけない、という段階になってからの情報収集には適していないかもしれませんが、いざという時のための準備であるなら選択肢に加えておいてください。「互助会」×「地域」でその地域に対応している互助会を見つけることができます。