日本は少子化の影響もあるのでしょうか。人間の子どもの数よりもペットの数が多いという時代をわたしたちは過ごしています。犬と猫に限ると飼育されている数は、2020年度は犬がおよそ849万頭、猫がおよそ964万頭でその合計は、およそ1,813万頭です。ちなみに、2021年5月5日に総務省がこどもの日にあわせて公表した子どもの数は、男子が765万人、女子が728万人の合計1,493人ですから、2割弱子どものほうが少ないということですね。
ところで、同じペットでも、犬と猫には大きな違いがあります。それは行政への登録義務があるかどうかということです。
飼い犬の登録
飼い犬は、狂犬病予防法第4条によって、犬を飼い始めた日から30日以内に、また生後90日以内の犬を飼育する場合は生後90日を過ぎた日から30日以内に、犬を飼育する居宅を管轄する市町村長(特別区は区長)に、犬を登録することが義務付けられています。登録された犬には鑑札が交付され、飼育者(所有者)は鑑札を犬に着けておくことも義務付けられます。ちなみに、飼育する犬の登録を怠った場合、また受け取った鑑札を犬に付けなかった場合は、20万円以下の罰金が課せられるので、十分な注意が必要です。
なお、猫は狂犬病予防法第2条で犬に準ずる生き物として規定されますが、狂犬病を発症しない限り、届け出る義務は負いません。
また、犬には毎年1回、狂犬病予防注射を受けさせ、その後に交付される注射済票を着けることも義務付けられています。
飼い犬の死亡届
飼育する時に登録している犬ですから、亡くなった時には死亡届を提出することも義務付けられています。この届け出は犬の死後30日以内に、飼育の届け出を提出した行政の長対して行います。死亡届を提出しなかった場合も、20万円以下の罰金が課せられます。なお、届出書には次の内容を記載します。
○ 犬の飼育者(所有者)の氏名、住所
○ 登録年度と登録番号
○ 死亡年月日
※ 届出書には鑑札と注射済票を添付する
そのほか届け出が必要な場合
飼育している犬を誰かに譲る場合、また飼育者(所有者)の転居などによって犬を飼育する住所が変わる場合も、死亡届同様の届け出が必要です。
ペット販売店で購入した場合は、店が登録などについて説明してくれるのですが、知人など第三者から譲られた場合に、双方ともに法律の知識が乏しく登録するのを漏らしていた、なんてことありそうですよね。また、登録して毎年狂犬病予防接種をしていても、亡くなった時の死亡届のことを認識していない人も多いのではないかと思います。愛犬を供養することと同時に、定められている手続きは、きちんと済ませるようにしましょう。
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