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年末年始 に亡くなった場合の 葬儀

記事公開日:2020.12.04/最終更新日:2023.04.05

読了予測:約4分
斎場

師走に入り激動の2020年も年の暮れが間近になってきました。年末年始の準備を始めるこの季節は1年の中でも亡くなる人が増える時期でもあります。不幸は時を選んではくれません。年末年始に家族が旅立ってしまうことも充分有り得るのです。ではもしもの時に葬儀はいつ営めば良いのでしょうか。

葬儀は1月4日以降が一般的

年末年始に亡くなられた人の葬儀は、次の事情と理由により1月4日以降に営まれるのが一般的です。

① 火葬場が年末年始休業している

多くの火葬場が12月30日から1月3日までを休業期間としています。葬儀事業者は365日24時間対応を銘打っているところが多いので対応してくれるところを探すのは大変ではありませんが、火葬場が開いていなければ火葬に付すことができないために、実際問題として葬儀を営むことはできません。そのために、火葬場の休業明けの1月4日が葬儀を営める最短の日程となります。

② 三が日の葬儀には躊躇いを覚える

日本の正月は、歳神様を迎え旧年が無事に終わり新年を祝う行事です。「一年の計は元旦にあり」と言われるように、我々日本人は三が日の間に弔事は行いたくないという漠然とした思いを持っていると考えられます。また会葬者に対する配慮もあるでしょう。正月の予定を既に入れている人や、新年を祝いたい人を葬儀に招くことに対して喪家は躊躇いを覚えるのは当然かもしれません。この2つの理由が、①の火葬場が年末年始に休業にしているという事情の要因だとも考えられます。つまり年末年始の葬儀にはニーズがないのです。

具体的な日程の例

それでは年末年始に亡くなった場合に最短でどのような葬儀日程を組むことができるのか考えてみましょう。最近増えている一日葬ではなく通夜、葬儀をともに営む一般葬で、近場の火葬場が12月30日から1月3日まで休業の場合です。

12月29日ご逝去

通夜 12月30日

葬儀 1月4日

  • 通夜は亡くなった翌日、葬儀はその翌日というのが慣習ですが、この日程は火葬ができないことから通夜の日程のみ慣習に沿い葬儀日程をイレギュラーとしています。通夜の後のご遺体は、保存処理ないしエンバーミングを施して自宅に安置するか葬儀場で保管(有料)してもらうことになります。なお、通夜では宗教者に読経、祈りを捧げてもらうため宗教者の都合がつかなければ通夜も年明けになります。

12月30日~1月2日ご逝去

通夜 1月3日

葬儀 1月4日

  • 12月31日の大晦日は宗教者も年末の仕事があります。そのために31日に通夜を営むのは難しいと思います。そのために、12月30日から1月2日までの間に亡くなった場合は最短で上記の日程が現実的です。

年末年始に亡くなった場合に留意すべきこと

年明け早々に葬儀を営む場合でも、費用が割増になることはありません。また葬儀自体とくに変わったことをする必要もありません。ただし、次の点にはご留意ください。

① 火葬場が繁忙する

現在とくに都市部ではただでさえ火葬場不足が叫ばれていて、火葬の順番を待つのに何日もかかるケースが増えています。火葬場が年末年始に最大で5日間も休業となったら、さらに混雑、繁忙に拍車がかかるだろうことが予想できます。上で記したのは最短の日程ですが実際の葬儀日程はもっと後ろ倒しになる可能性が高いことは念頭に入れておいてください。その地域の火葬場により状況が異なると思いますが、休業期間中も火葬の受付をしてくれる火葬場もあります。そこは葬儀事業者がうまく進めてくれると思いますので、とにかく葬儀事業者への連絡は早めに行うことをお勧めします。

② 宗教者の予定確保

年始は宗教者にとっては、冠婚葬祭を除き最も忙しい時期です。葬儀事業者を介する場合も直接依頼をする場合も、これも早めに連絡をして日程を押さえるようにしましょう。

③ 遺体の安置

上でも少し記しましたが、亡くなった後火葬に付すまでの時間がかなり長くなることが想定されます。中3日程度であれば冬季ですからドライアイスによる腐敗処理で保たせることもできますが、それ以上になる可能性も充分考えられるので、まずは葬儀日程を確定させて火葬に付すまでに必要な遺体の保存処理方法を施す必要があります。このことを踏まえた上で葬儀事業社とは入念に打ち合わせを行ってください。

 

死亡届を受け付ける役所も年末年始は休業ですが、死亡届に関しては時間外での受付をして火葬許可証も発行してくれます。これも葬儀事業者にお願いしてください。ところで訃報を知らせるタイミングが気になります。これはとくに慣習が見当たりません。31日までなら年明けの葬儀日程を確定してから伝えても良さそうに思います。元旦に亡くなった場合は元旦だけはさけて1月2日に伝えるのが良いかなぁと筆者は考えています。火葬場の日程が空いていなくて、通夜も葬儀も三が日終えたあと暫く期間が空くようなら、訃報は三が日を過ぎてからでもいいかもしれません。