緊急事態宣言が解除されて、一旦は収束に向かうか、と期待された新型コロナウイルス感染症ですが、ここにきて感染者数が再び増加に転じてきてしまいました。政府主導のGoToキャンペーンは、東京都を外して予定どおり7月22日からスタートすることになりましたが、これとて予断は許さないと思っています。7月13日が迎え盆となる、東京都など一部の地域を除けば、全国的に8月13日が迎え盆の日ですので、あとひと月ありません。このような状況下でお盆はどうすればよいのでしょうか?
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帰省を考えている人は4%以下?
共同通信社が、今からおよそひと月前の6月11日にリリースした、今年の夏休みの過ごし方調査の結果によると、「帰省する」という回答はわずかに4%でした。調査期間は東京アラートが発令中で、第2波に対する警戒感が強かった頃でした。現在はアラートこそ出されていないとはいえ東京および全国でも感染者数は緊急事態宣言解除後最多という環境にあります。おそらく帰省という選択肢を考えている人は、もっと少なくなっているかもしれません。
高齢な親がいる実家に帰省してもいいものか
新型コロナウイルは、疾患を持つ人、高齢者が感染すると重篤になる危険性が高いです。1年に一度のお盆です、実家で暮らす両親は子どもや孫の顔を見ることを楽しみにしているに違いありませんが、万が一感染させてしまっては一大事です。特に直近の感染者の傾向として無症状の感染者が増えていることが気になります。発熱などの自覚症状があり体調が気になれば検査や診断を受けて感染の有無を確認もできますが、自分自身健康体であるという感覚の人が実は感染していて、帰省先の高齢者に感染させてしまうリスクは避けたほうがいい、と考えています。特に、完全テレワークではなくなり、通勤や仕事で人に合う機会や、密になる場にいる時間が緊急事態宣言時より増えている人は、無症状でも感染している可能性を考えていただきたい、と思います。
帰省前の10日から2週間誰とも接触しなければ
それでも帰省したければ、自身が新型コロナウイルスに感染中であるリスクを極力減らすことです。もちろん個人差はありますが新型コロナウイルスの潜伏期間は平均で5、6日(長くて13日)、そして発症後5日間は感染リスクが高いと言われています。つまり10日から2週間の間人との接触がなければその時点ではウイルスを誰かに感染させるリスクはかなり少ない状態である、と言えそうです。しかし現実的には、その間完全テレワークに移行したとしても、家族がいる人は家庭内での感染リスクがありますよね。独身で一人暮らしをしている人には選択肢となり得るかもしれません。
移動はできる限り公共交通機関を避けたい
鉄道、バス、飛行機などの公共交通機関はそれぞれ、かなり頻繁に換気を行うだけでなく、消毒を徹底的に行うなどの感染症対策を施してはいます。乗務員もマスクをしていますし、リスクを減らす努力はしていますが、長時間1つの場所(席)に留まり続けなければならないという環境はリスクの1つです。お盆に帰省したい、という人は可能であれば、マイカーやレンタカーなどの移動手段を選択されるのが望ましいと思います。ただし、このような考え方は多くの人がすると思われます。コロ禍を考えて動かないという選択をする人の数と、クルマなら大丈夫と考えて動くという選択をする人のバランスによっては、道路渋滞が例年より激しくなる可能性も少しありそうな気がします。
行かない場合はお供えを贈りましょう
高齢の両親にとっては、子どもの顔、孫の顔を見ることが最高の贈り物であることは言うまでもありませんが、そんなことを言ってはいられない状況です。ですので、今年のお盆は帰省を諦めて、お盆のためのお供えや、両親に食べてもらうための食材などを贈るのが良いかもしれません。帰省にかける費用を回して、少し奮発してみてはいかがでしょうか。
日本の夏の風物詩であるお盆も、今年は全国的に少し寂しい行事になりそうですね。お盆に行われる、盆踊りや、花火大会も規模を縮小したり、中止となるところが多いと思います。早くワクチンが完成して、来年の夏はいつもどおりのお盆を迎えられることを願っています。