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天皇陵に参拝してみよう!

記事公開日:2019.06.06/最終更新日:2023.03.31

読了予測:約4分

「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産への登録勧告が行われたということで、古墳そのものへの関心も高まっているようです。百舌鳥・古市古墳群の中には仁徳天皇陵をはじめ29基の天皇陵があります。そこで今回は天皇陵について少し調べてみました。(トップの写真は、「明治天皇陵・伏見桃山陵」)

天皇陵は、歴代天皇、皇后のお墓

初めに簡単に古墳のおさらいをしましょう。日本には全国合計で16万基を超える数の古墳があります。3世紀なかばから7世紀にかけて建造された丘状の墳墓のことを古墳と称していますので、天皇陵がイコール古墳ではありません。

天皇陵については、皇室典範に次のように定められています。

第27条 天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵(みささぎ)、その他の皇族を葬る所を墓(はか)とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。

この定めにより、歴代天皇のお墓112基、皇后のお墓76基の合計188基が陵に治定(じじょう)されています。さらに皇室典範の附則には「現在の陵及び墓は、これを第27条の陵及び墓とする」という規定があり、制定された1947(昭和22)年1月16日時点で陵及び墓とされていたものは全て陵墓となっています。そのために、天皇、皇后陵のほかにも、日本武尊の白鳥伝承に基づく白鳥陵(ヤマトタケルのお墓:奈良県御所市と大阪府羽曳野市の2カ所)なども陵と称されています。

ちなみに古墳の中で天皇陵として治定されているのは41基です。また、宮内庁によると皇族等の墓の数は555基、分骨所・火葬塚・灰塚などの陵に準じるものが42、髪歯爪塔(はっしそうとう)などが68、伝承などから陵墓の可能性がある陵墓参考地が46あり、陵墓の総数は899基とされています。

天皇陵がある場所

墓のほうは、北は山形県から南は鹿児島県まで1都2府30県にわたって所在していますが、陵は圧倒的に近畿圏に集中しています。明治までは都が存在していた場所なので当然ですね。近畿圏以外だと、東京には大正天皇陵と昭和天皇陵と2つの陵があります。あとは山口県に安徳天皇陵、香川県に崇徳天皇陵と、歴史の教科書にも出てくる都で人生を終えることができなかった悲劇の天皇お二人の陵があるだけです。

陵墓監区事務所で御陵印がもらえる

天皇陵(墓も含めて)は、祭祀の場所として宮内庁が厳しく管理していて、一般の人が内部に入ることはできませんが、参拝する場所は設けられていて、年末年始、土日・祝日などを除き1年を通して参拝することが可能です。参拝可能な時間帯は、陵墓を管理する陵墓監区事務所ごとに定められています。陵墓に参拝すると、寺社に参拝するときにもらえる「御朱印」に該当する「御陵印」をもらうことができます。戦前にはこの御陵印集めがブ―ムになったこともあったそうです。宮内庁のホームページには、歴代天皇陵のページが設けられていて、その所在地や御陵印をもらうことができる陵墓監区事務所などが明示されています。

 

陵墓を管理しているのが、宮内庁書陵部陵墓課です。5カ所の陵墓監区事務所が全国の陵墓を管理しています。管轄エリアと代表的な陵をご紹介します。

○ 多摩陵墓監区事務所 連絡先:電話042-661-0023

エリア:山形県、新潟県、栃木県、東京都、神奈川県、長野県

陵      :大正天皇陵(多摩陵)、昭和天皇陵(武蔵野陵)

○ 桃山陵墓監区事務所 連絡先:電話075-601-1863

エリア:岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、兵庫県と京都府と大阪府の一部

陵  :桓武天皇陵(柏原陵)

○ 月輪陵墓監区事務所 連絡先:電話075-541-2331

エリア:富山県、石川県、滋賀県、鳥取県、島根県、京都府と兵庫県の一部

陵      :後花園天皇陵(後山國陵)

○ 畝傍陵墓監区事務所 連絡先:電話0744-22-3338

エリア:奈良県、三重県、岐阜県、愛知県、静岡県

陵  :聖武天皇陵(佐保山南陵)

○ 古市陵墓監区事務所 連絡先:電話072-955-1115

エリア:和歌山県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県、大阪府と兵庫県の一部

陵  :仁徳天皇陵(百舌鳥耳原中陵)