お葬式の最高責任者である喪主には、やるべきことが山ほどあります。より良いお葬式にするために、喪主が気をつけなければいけないことを整理してみましょう。
喪主の役割と心構え
お葬式における全てのことを判断するのが喪主の役割です。
- 訃報を伝える
- 葬儀社を決定する
- 宗教者(僧侶、神父など)への依頼
- お葬式の日時を決定する
- 葬儀社と相談して詳細を決定する
お葬式や精進上げの席次、供花の位置、弔電を読み上げる順の決定、香典返しの用意なども
- 必要な手続きをする
死亡届の提出、火葬許可証の入手など(葬儀社が代行してくれます)
- 遺影を準備する
出棺のときなどに遺影を持つのは喪主の役割です
- 通夜式、告別式の前に宗教者を出迎える
- 通夜式、告別式終了後や精進落とし(お斎、精進上げ)の場での会葬者へのお礼の挨拶
このような多様な役割を担う喪主ですからその心構えは
- 忙しいことを覚悟する
- 迷ったときは故人が望むかどうかで判断する
- できる限り家族や葬儀社の協力を得る、が必要といえるでしょう。
訃報の伝え方
訃報を伝える範囲と内容は次のようなものが一般的です。
訃報の範囲
- 菩提寺、教会など宗教者
- 家族、親族
- 勤務先
- 故人の交友関係(親しい方)
- 自治会・町内会(隣組的な互助組織が機能している場合)
訃報の内容
第一報は電話で簡潔に次のことを伝えます
- 故人の名前
- 亡くなった日時
- 死因
- もし決まっていたらお葬式の日時・場所
- こちらの連絡先
- 詳細が決まっていないときは、詳細決定後に改めて連絡する旨
お葬式の詳細が決定後に改めて電話で連絡をします。
訃報は新聞のお悔やみ欄なども活用できます。その手配も葬儀社がしてくれますので相談してみましょう。
お葬式の進行
進行の実務は葬儀社と家族の中から選んだ補佐役に任せるようにしましょう。喪主は何か判断しなければいけないことが起こったときのために、常に誰の目にも見えるところに(あまり動かず)居るようにしてください。
進行上での最大の役割が挨拶です。会葬し、焼香または献花してくれた会葬者一人ひとりにお礼の言葉を述べてください。また通夜式や告別式、精進落としの前には遺族を代表して挨拶をします。挨拶の文例は次のようなものです。
会葬者一人ひとりへのお礼
ごていねいに恐れ入ります。
故人も喜んでいると思います。
お忙しいところお運びいただきありがとうございます。
など
お通夜の後
本日は遠路ご多忙のところ、通夜に参列くださり、心からお礼申し上げます。
亡○○もみなさま方にお見送りいただき、さぞ喜んでいることと存じます。
~故人の説明あれば簡潔に~
なお、明日の葬儀・告別式は、○○において○○時からとり行います。なにとぞよろしく
お願い申し上げます。
また、ささやかではございますが、別室に粗茶を用意しておりますので、お召しあがりながら、故人を偲んでいただけると幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
告別式後(出棺前)
遺族を代表し、みなさまに一言ごあいさつを申し上げます。
本日は遠路ご多忙のところ、ご会葬、ご焼香を賜り、心からお礼申し上げます。
亡○○もみなさま方にお見送りいただき、さぞ喜んでいることと存じます。
~故人の説明、思いなど~
遺された私たちにも、故人同様のおつきあい、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、これをもちましてお礼のあいさつにかえさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
精進落としの前
本日は遠路ご多忙中のところを亡き○○のために、お心遣いただき、誠にありがとうございました。
お蔭様をもちまして、本日滞りなく葬儀・告別式をすませることができました。
改めてお礼を申し上げます。
ささやかではございますが、精進落とし(お斎、精進上げ)の膳を用意いたしましたので、故人をお偲びいただきながら、ごゆっくりお召し上がりください。
~故人に関する話があれば簡潔に~
本日は誠にありがとうございました。
忌み言葉を避ける
喪主の挨拶の中では、不幸が続くことがないように、次のような連続性を想起させる言葉は使わないように注意してください。
- 重ね重ね
- たびたび
- またまた
- 再三再四
- 次々
- 再び
- 続く
お葬式終了後には、お手伝いしてくれた近隣などにお礼の挨拶に出向きます。最後にお葬式の会計(香典の整理、葬儀社への支払い)が待っています。それが済めば喪主としての役割は終了ですが、引き続いて施主として行う四十九日の法要が待っています。長丁場ですので、気を張り過ぎぬよう、できるだけ家族に助けてもらうようにしてくださいね。
- 喪主と施主
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