日本の少子高齢化は大きな社会問題となっており、今後の人口減少によって多くの産業ではマーケットの縮小が予想
されていることから、企業は生き残りに頭を悩ませています。
こうした状況の中、安定した業績を維持しているのが冠婚葬祭互助会の事業です。
高齢者の増加に伴い葬儀件数は増えています。
また、互助会事業は多くの会員を抱えて運営されるため、業績の見込みが立てやすく安定しているビジネスです。
互助会業界全体では、「2400万口」を超える会員が加入しており、保有する預り金の合計は「2兆5千億円」にも上ります。
日本全国で営まれる葬儀の「約20%」が互助会によるものです。
国内には約250の互助会組織がありますが、その中でトップクラスの組織となっているのがセルモの互助会です。
セルモは、熊本県に本社を構え鹿児島、大分に事業展開しています。
40万口の会員を抱え、年間に5000件以上の葬儀を行っています。
またグループ企業として、サンセルモがあり、こちらも27万口の会員を抱え年間4000件の葬儀を執り行っています。
この記事では、こうしたセルモの互助会を運営する会社の事業や組織、沿革を紹介し、「セルモが提案する冠婚葬祭のプラン内容」を解説します。
また、日本の互助会全体を理解していくため、互助会の「歴史や仕組み」などの他、互助会加入の「メリット・デメリットや選び方」、「加入する際の注意点」などを説明していきます。
セルモについての詳しい紹介は、こちらのページもご覧ください。
>>セルモグループ セルモ
目次
セルモの互助会はどんな組織
セルモの互助会はどんな組織なのか、運営する会社や会社の沿革、経営状況などを解説します。
運営するセルモという会社とは
セルモは、ライフステージにおける様々なサポートをする『総合生活企業』として事業を展開しています。
1968年に、熊本県熊本市を本社として設立し、50年以上の歴史があります。
特に葬祭分野に力を入れており、九州では唯一の「エンバーミング」を導入し、グリーフケアという新しい考え方を取り入れています。
冠婚葬祭事業の他、写真スタジオ、ホテル経営を事業の柱としています。
熊本、鹿児島、大分に支社を置いて営業エリアとしており、セルモ本体の従業員数は84名、グループ全体では2500名となっています。(2021年12月現在)
セルモのグループ会社は全部で15社あり、貸し切りバス事業、生花、エンバーミングなど冠婚葬祭に関連する事業を幅広く展開しています。
会社の沿革
株式会社セルモは1968年(昭和43年)に熊本県熊本市を本社として(株)熊本婚礼センターの名称で設立されました。
翌年には(株)南九州互助センターに社名変更し、熊本市、八代市、玉名市、人吉市、水俣市に営業所を新設しています。
1975年(昭和50年)に鹿児島支社、1981年(昭和56年)には広島支社を立ち上げ、(株)全日本互助センターに社名変更しました。
そして、1989年(平成元年)に現在の株式会社セルモに社名変更しています。
1995年(平成7年)には、サンレー東京とサンレー千葉をセルモとして継承しました。
その後、2004年(平成16年)に、セルモ東京支社を株式会社サンセルモとし、翌年にはセルモ千葉支社もサンセルモに組織を転換しました。
2018年(平成30年)には創業50周年を迎えています。
会社の経営状況
セルモの会員数は約40万口で、預り金の総額は432億3600万円となっています。
2021年度の年間婚礼件数が186件、葬儀件数が5722件でした。
売上は、5年前の2017年には100億円を達成し、その後95億円前後でした。
新型コロナの影響によって大きくダウンし、2021年12月末で80億円となりましたが、回復してきています。
熊本本社の他、熊本県内に3か所の営業拠点を持ち、鹿児島県と大分県にも支社があります。
サンセルモは、東京本社、千葉支社、広島支社で営業しています。
グループ企業は全部で15社あり、貸し切りバス事業、生花、エンバーミングなど冠婚葬祭に関連する事業を幅広く展開しています。
セルモが運営している施設は下記のとおりです。
- 結婚式場:4式場(エルセルモ、セントクレアヒルズ)
- 葬儀場:39会館(玉泉院)
- 法事会館:3会館(雲海)
- 写真スタジオ:1か所(スタジオPRIMA)
- ホテル:2か所(夢しずく、別邸蘇庵)
セルモの互助会が提案するプラン
セルモの互助会が提案しているプランは、冠婚葬祭にかかる費用を「PR39コース」という月々3000円を130回で積立てるプランによって用意する形が基本となっています。
その他に、七五三や成人式等のお祝いのための「輝きコース(毎月500円)」「煌めきコース(毎月1000円)」というプランも用意されています。
セルモ互助会の葬儀プラン
セルモの互助会が提案している葬儀プランは、月々3000円を130回積立てて「満額39万円」のものと、2口にして「満期78万円」で行う2つのパターンがあります。
39万円のプランには、祭壇、棺、位牌、飾りつけ、式進行といった葬儀に必要なものが含まれており、78万円のプランにすると、エンバーミングや花飾りなどのサービスを受けることができます。
39万円のプランは、一般客が利用する場合には100万円かかる内容ですので、60万円以上のお得になります。
セルモ互助会の結婚式プラン
セルモの互助会の結婚式プランは、3000円×130回×1口、満期39万円が基本となります。
女性向けのプランでは、結婚式の衣装、着付け、ヘアメイク、アクセサリーの他、両親の貸衣裳と集合写真1回分、エステ1回分が含まれています。
男性向けのプランでは、衣装、着付けの他に、両親の貸衣装、控室・会場使用料、動画制作といったサービスが提供されます。
一般客が同等のプランを利用すると女性向けは91万円、男性向けは73万円となることから、互助会の会員は52万円~34万円分お得になります。
セルモ互助会の成人式、七五三プラン
成人式や七五三、入学式等のためのプランとして「煌めきコース」1000円×80回(満期8万円)と「輝きコース」500円×60回(満期3万円)が用意されています。
プランの内容は、衣装、着付け、ヘアメイクに食事や記念品がついています。
セルモ互助会の会員特典
セルモの互助会会員には、式典で受けられる割引サービスや、会員向けの優待特典があります。
結婚式ではWEB上で結婚式を一緒に体験できる「ウェディングレポート」、葬儀では故人の遺体を生前に近い姿に戻す「エンバーミングサービス」が割引料金となります。
また、セルモクラブカードを利用することで、提携している加盟店で割引サービスが受けられてポイントも貯められます。
貯めたポイントはカタログギフトと交換することができます。
その他、会員向けの特別価格の海外旅行プランや返礼品などが用意されています。
互助会とは
互助会の「歴史」や互助会の「仕組み」、そして全国的な「業界団体が設立された経緯」などをご紹介いたします。
互助会の歴史
日本の互助会の始まりは、1948年の横須賀でした。
第二次大戦が終わって3年程が経っていましたが、まだまだ物資が不足しており、庶民はその日の暮らしにも大変な時代でした。
そうした状況の中でも、戦後の新しい時代の始まりを感じており、家族の冠婚葬祭ぐらいは、きちんとやってあげようと思う人たちが増えていました。
そこで、会員同士がお金を出し合い、着物や道具を揃えて共有することで冠婚葬祭の式を行う仕組みを作り出しました。
この方式は、多くの支持を集めるようになり、日本各地に広まっていきます。
日本経済が高度成長期を迎える1970年代に入ると、一般市民の生活も豊かになっていき、お金をかけて冠婚葬祭の式典を行うようになっていきました。
互助会に加入する人も、この頃から急激に増加していくことになります。
若い人たちが仕事を得るために都市部にどんどん集まるようになり、そこで、将来の結婚に備えて互助会に入るという流れもできて、さらに会員数は伸びていきました。
バブル崩壊を迎える1990年代以降は、少子高齢化が大きな問題となっていきます。
高齢者が増えて葬儀件数が増加することで、互助会の事業も葬儀がメインとなっていきました。
互助会の仕組み
互助会の基本精神は、仲間同士が助け合う「相互扶助」といわれています。
互助会の会員になると、まずは提案されているプランの中から利用したいものを選びます。
そこから、そのプランに設定されている金額を毎月積み立てていきます。
一般的には互助会のプランの積立期間は5年~10年で、月々の積立金額は数千円程度です。
この積立を完納すると、申し込みをしていたプランがいつでも利用できる権利を手にすることになります。
この権利は生涯有効で、物価上昇があっても追加料金は不要です。
積立期間中でも、残金を全額支払えば同様の権利が得られることになっています。
規模が大きな互助会では、多くの会員を抱えており、積立金は莫大な金額になります。
豊富な資金を活用することで、自前の施設建設に充てたり、設備を揃えたり、スタッフを雇ったりしてサービスを拡充していきます。
また、多くの互助会はグループ企業で冠婚葬祭に関連する事業を行っており、貸衣装、写真撮影、飲食、返礼品等を会員向けに割引して提供しています。
提携しているお店や会社も多くあり、互助会の会員は、こうした提携店からも割引を受けることができます。
全国的な互助会組織
日本全国の互助会組織の数はおよそ250で、これらは基本的に独立した組織として運営されています。
互助会に加入している会員の総数は「約2240万人」で、互助会が預かっているお金の総額は「2兆5000億円」という莫大な金額になっています。
日本国内で執り行われている葬儀の「約2割」が互助会によるものと言われています。
高度成長期を迎えた1970年代には、互助会加入者が大幅に増加しましたが、その状況をみて次々に新しい互助会も創設されることになります。
しかしながら、一部の互助会は運営に行き詰まり、経営破綻に追い込まれる互助会が現れました。
その当時は、互助会運営の統一ルールが確立されておらず、互助会が破綻した場合に積立をしていた会員に対して一切返金されなかったことで、大きな批判を受けることになりました。
この状況が長く続くと、互助会事業全体のイメージダウンにつながると危惧した関係者たちが立ち上がり全国的な業界組織を作ろうと動き出しました。
そして、1972年経済産業省の管轄の下、「全日本冠婚葬祭互助協会」が創設されることになります。
初の全国的な互助会の業界団体となり、208の互助会が加盟しました。
この協会が中心となって、互助会の健全な運営のための全国統一のルールを作り上げます。
ルールができたことによって、全国の互助会の連携が進むことになり、会員が他県に転居した場合にも、転居先の互助会が積立金を引き継ぐことができるようになりました。
互助会加入のメリット・デメリット
互助会に加入することの「メリットとデメリット」は、どのようなことがあるでしょう。
メリット
互助会加入の大きなメリットは、毎月わずかな金額の積立をしていくだけで将来発生する冠婚葬祭の費用に備えることができるということです。
そして、万が一の際にも、相談先が決まっていることから、慌てることなく対応できます。
その他、互助会会員の特典として、互助会と提携しているお店や企業の割引サービスを受けることができたり、会員限定の優待が受けられたりすることがあります。
デメリット
互助会の積立をしていくと、5年~10年の期間で30万円~50万円程の金額が貯まります。
ただし、このお金の使い道は申し込みをしたプラン以外になく、固定化されたものとなります。
また、事情があって途中で解約する場合には、返金された金額から手数料が差し引かれることは事前に知っておいたほうがいいでしょう。
それ以外にも、互助会が用意しているプランの種類は限られていることや、積立金だけでは冠婚葬祭の総額に及ばないことなどは、予め確認しておく必要があります。
互助会の選び方
互助会を選ぶ際にはどうすればよいか確認しておきましょう。
情報収集
互助会を選ぶ前には、しっかりと情報を集めて検討するようにしましょう。
多くの互助会ではウェブサイトを通じて情報発信をしているので、サイトから基本的な情報を得ることができます。
そこから更に詳しいことを知りたい場合には、サイトから資料請求ができます。
資料にある情報で不明点や疑問点があれば、積極的に質問していきましょう。
特にお金が絡むことは、完全に理解し納得してから契約に進む必要があります。
自宅近くの互助会
互助会は加入して5年~10年間は積立をしていくだけですので互助会の事務所がどこにあるのかは関係ありません。
ところが、実際にプランを利用して冠婚葬祭の式典を行う場合には互助会担当者との打合せをする必要があります。
自宅に来てもらうにしても、互助会の事務所に行くにしても、あまりに距離が遠いと移動の負担が大きいでしょう。
可能であれば、自宅からそう離れていないところに事務所がある互助会のほうが、相談もしやすくおすすめです。
経営状態をチェック
互助会に加入すると、関係は数十年という長期間続くことになります。
積立期間は5年~10年となっていますが、完納後も実際にプランを利用するまでに10年以上かかることも少なくありません。
これほど長期間、自分の大事なお金を預けておくことから、互助会の経営状態に問題がないか、しっかり確認しておく必要があります。
銀行や保険会社といった金融機関であれば、国などの公的機関から定期的に検査を受け、経営状態がチェックをされています。
互助会では、そこまでの体制がないことから、会員自身が確認する必要があります。
互助会が公開している情報がありますので、目を通しておきましょう。
ネット上の「口コミ情報」も参考してみるといいかもしれません。
互助会選びの注意事項
互助会に加入する際の注意点をチェックしておきましょう。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会に加入し月々の積立を続けるだけで、この先にかかる冠婚葬祭の出費に備えることができるというのが互助会のメリットとして取り上げられてきました。
しかしながら、この積立金だけで冠婚葬祭にかかる費用の全てを賄うことはできません。
互助会で積み立てを始めると「5年~10年」の間続けることになり、総額としては「30万円~50万円」になります。
この金額は申込んだプランの料金ですので、プランに含まれていないサービスは別途契約が必要になります。
プランに含まれているものは、基本的な装具や式の進行にかかるサービス等に限られており、式を行うために必要な会場の利用料、宗教者への謝礼や、式の後の火葬代、飲食代、返礼品代などは含まれていません。
参列者が何名になるかによって費用は大きく変わってきますが、相場でいうと「100万円~150万円程」はかかると考えておくといいでしょう。
解約には手数料が必要
互助会の積立は決まった金額を毎月積み立てていくので、銀行の定期預金や保険会社の生命保険などと似た印象がありますが、大きく異なるところがあります。
それは定期預金や生命保険を解約しても手数料はかかりませんが、互助会の積立を解約すると手数料が差し引かれることです。
かつては、この手数料を不服として訴訟に発展したケースがあります。
互助会運営の統一ルールが策定されるまでは、25%という非常に高い手数料を差し引いていた互助会がありましが、現在では「10%~15%」に規定されています。
経営破綻の可能性もある
高度成長期となる1970年代には、生活が豊かになっていったことで冠婚葬祭にお金をかけられるにようになっていきます。
また、仕事を目当てに都会に集まるようになった若い人たちが将来の結婚の備えるようになりました。
こうした影響で互助会加入者が急激に増加し、それに対応して新たな互助会が次々に創設されました。
しかし、これらの新しい互助会がすべて成功したわけではありません。
中には、早々に経営に行き詰り、経営破綻する互助会も現れるようになりました。
統一ルールができる前のことであったことから、互助会が破綻した場合に積立金がまったく返金されず、社会的にも大きな問題として取り上げられることになります。
互助会は一般の民間企業が運営しているものですので、経営がうまくいかなければ経営破綻してしまうことがあります。
5年~10年間の積立期間の後、実際にプランを利用するまで10年以上かかることもあります。
これほどの長期間に渡って自分の大切なお金を預けておくことを考えると、互助会の経営に問題がないかはしっかり見ておく必要があります。
統一ルールの規定により、互助会の積立金の半額は公的機関で保全することが義務付けられているため、万が一、経営破綻してしまったとしても、保全されているお金は必ず返金されます。
【セルモの互助会とはどんな組織?】セルモの会社とプランについて紹介! まとめ
セルモの互助会は、多数の県で事業を展開しており、多くの会員数と保有施設を保有する国内有数の互助会組織です。
15社にも及ぶグループ企業を運営し、多数の企業や店舗と提携して互助会会員向けのサービスを充実させています。
これからの日本社会では少子高齢化の傾向が続くことが予想され、冠婚葬祭の在り方も変わっていきます。
セルモの事業もこうした社会の流れに対応していくことでしょう。