奈良県は、律令時代の都であったことから観光産業が発達しており、各地の神社仏閣や遺跡、万葉の故地などの他、伝統行事や若草山の山焼き、また正倉院展・なら燈花会などの新しいイベントなどが多くの観光客を集めています。
奈良県にある代表的な互助会はこちらの「2つ」です。
- ベルコ
- 日本セレモニー
奈良県で葬儀にかける費用は、全国46位の93万4184円で、葬儀にお金をかけない地域です。
奈良県内では、昔から伝わっている葬儀慣習は一部で残っていますが、以前によくあったような、隣近所の人や親戚縁者が集まる大規模な葬儀は数を減らしており、家族葬を中心とした、関係の近い人だけで故人を送り出す小規模な葬儀が主流となっています。
そのため、葬儀費用は年々低下の傾向となっており、今後も続くことが予想されます。
互助会の会員になると、毎月数千円という少ない金額の積立を続けるだけで、自分の将来に発生する冠婚葬祭費用に備えることができます。
また、万が一の場合にも相談先が確保できていることで、心理的な安心感を得ることができます。
ただし、互助会の積立金だけでは冠婚葬祭の総額には不足することや、互助会が用意しているプランは種類が限られていること、契約中に解約すると返金の際に手数料が差し引かれること等は知っておくべきでしょう。
目次
奈良県の互助会
奈良県内で事業展開している「2つの互助会」をご紹介します。
ベルコ
ベルコは、日本の互助会の中でも最大級の規模を誇る互助会組織となっています。
全国に200ヵ所以上の葬儀ホールと30か所以上の結婚式場を保有し、263万口の加入者を抱えています。
全国で年間4万件以上の葬儀を行っています。
昭和44年(1969年)に兵庫県に創設された後、全国各地に事業を広げていき、18道府県に拠点を設けるほどに成長しています。
奈良県内には、15ヵ所の葬儀ホールと1か所の結婚式場を保有しています。
ベルコの会員になることで、こうした施設を割引料金で利用することができます。
ベルコの式場は、交通アクセスがよく、利便性が高いといった評判があります。
また会員には、グループ会社や提携会社のサービスを割引サービスが提供されます。
日本セレモニー
日本セレモニーは、1972年(昭和47年)に、山口県下関市で創業し、愛グループとして全国に展開しています。
現在では会員数約90万口、前受金約1391億円を集めています。
奈良県内には2か所支店を構えており、県内に6所の葬儀ホールを運営しています。
グループ企業では、ホテル、貸衣装、飲食、運送、介護、仏壇・仏具、墓石販売といった事業を展開しており、互助会の会員は割引価格で利用できるようになっています。
奈良県の葬儀時事情
奈良県の葬儀事情について、葬儀の「慣習」や「費用」、「主な斎場」をご紹介します。
特徴
奈良県では、近所づきあいが深い地域が多く、近隣の住民が葬儀の手伝いとして、参列者の接待や受付など担当してくれることが多くあります。
こうした地域の組織は各地で残っていますが、奈良県では「垣内(かいと)」と呼ばれています。
地域によっては、自治会がお葬式の取り仕切りをサポートしてくれるケースもあるようです。
関西地方では、通夜の後の食事となる通夜振る舞いを親族だけで行うことが多く、奈良県でもそのようなしきたりとなっています。
出棺のときに故人を送り出す儀式として「茶碗割り」を行うことがあります。
これは、愛用の茶碗を割ることで、現世での生活は終わったことを知らせ、思い残すことなくあの世に向かってほしいという願いが込められています。
また、同じタイミングでわらも燃やします。
こちらは「門火(かどび)」と呼ばれ、故人を送るために火を焚く儀式です。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると、奈良県は93万4184円で、47都道府県の中の46位と、葬儀にかける費用が少ない県であるという結果となりました。
奈良県では昔ながらの葬儀形式を重んじるところも残っているようですが、年々数は少なくなってきており主流となっているのは、関係の近い家族や知人だけで故人を送り出す家族葬のような形式の葬儀です。
そのため、葬儀に支払う費用も次第に低下してきていて、これからもこうした傾向は続くと考えられています。
斎場
奈良県内の主な公営斎場をご紹介します。
<奈良市斎苑 旅立ちの杜>
令和4年4月に開業した奈良市斎苑 旅立ちの杜は近代的で大規模な施設です。
火葬炉12炉(うち動物炉1炉)、告別室兼収骨室6室、待合ホール、待合室(最大10室)遺体保管室、多目的室、キッズルームを備えています。
各施設に、ユニバーサルデザインを採用し、小さな子どもからお年寄りまで利用しやすくなっています。
(アクセス) 近鉄「奈良駅」からタクシー15分
<大和郡山市清浄会館>
大和郡山市清浄会館は、大和郡山市が運営する公営斎場です。
火葬場と葬儀ホールが併設されているため、移動の負担が少なく高齢者や体の不自由な方には利用しやすくなっています。
葬儀は、家族葬から一般的な葬儀まで、会葬者の人数に合わせて執り行うことができます。
(アクセス) 近鉄「郡山駅」からタクシー10分
<生駒市斎場>
生駒市斎場は、生駒市が運営する公営斎場です。
火葬場に葬儀ホールが併設されており、移動の負担が抑えられています。
火葬炉6基、炉前ホール1室、待合室1室と、ややコンパクトな造りの施設となっています。
(アクセス) 近鉄生駒線「菜畑駅」徒歩5分
互助会の組織とは
互助会の「歴史」や互助会の「仕組み」、そして全国的な「業界団体が設立された経緯」などをご紹介いたします。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
互助会の歴史は、1948年神奈川県の横須賀で始まりました。
第二次世界大戦が終わって3年ほどたっていましたが、まだまだ復興には程遠く、人々は日々の暮らしに追われていました。
物資も不足する中、戦後の前向きになった気持ちから、家族の冠婚葬祭はきちんとやってあげたい、という思いを持つ人が増えていました。
そこで、少ない金額でも多くの人が出し合うことで衣装や装具を揃え、会員皆で使いあう仕組みが広がっていきました。
1970年代になると、日本経済が大きく飛躍する高度成長期を迎えました。
庶民の暮らしも豊かになったことで、冠婚葬祭にも費用かけるようになっていきます。
この時期から、互助会に加入する人も大幅に増加していきました。
多くの若者が仕事を求めて都会に集まるようになり、そこで将来の結婚に備えるため互助会に加入するという流れができていきました。
バブルが崩壊した1990年代以降は、少子高齢化の流れが社会的に大きな問題となっていきました。
その影響により、葬儀件数が増化し、互助会の事業のメインとなっていきました。
互助会の仕組み
互助会は「相互扶助」という、会員同士でお互いに助け合う精神を基本としています。
互助会に加入すると、はじめに互助会が用意しているプランから自分が利用したいものを選びます。
そこで設定されている金額をためるため、月々の積立をスタートします。
積立金の金額は数千円で経済的には負担がありません。
積立の期間が「5年~10年間」となっており非常に長いのが特徴です。
積立を完納すると、自分が申し込んでいたプランをいつでも利用できる権利を得ることになります。
これは、生涯に渡って有効で、物価上昇があったとしても追加料金などは不要です。
また、完納してない段階でも、残金を全額支払うことで、同様な状態になります。
多くの会員を抱えている大規模組織の互助会では、月々入ってくる積立金も巨額になり、預り金の総額が数百億円となっている互助会もあります。
この豊富な資金を使って、互助会では自前の冠婚葬祭施設の建設や、設備の購入、従業員の雇用をして会員向けのサービスを充実させています。
互助会の多くは関連会社を運営し、貸衣装、飲食、返礼品、写真撮影など、冠婚葬祭にかかわるサービスを提供しています。
また企業や店舗と提携して、割引サービスを会員向けにしていることも多くあります。
全国的な互助会組織
日本全国にある互助会の総数は約250あり、それぞれが個別の組織として独立して運営されています。
会員数の総合計は「約2240万人」、預り金の総合計額は「2兆5000億円」となっています。
国内で営まれる葬儀の20%に互助会が関わっています。
1970年代の高度成長期に経済が拡大し、庶民の暮らしも豊かになりました。
若者が都会に集まるようになり、そこで将来の結婚に備えて互助会に入るという流れができていきました。
そのため、急激に互助会の加入者が増えていくことになります。
そうした状況に対応し、次々に新たな互助会が創設されていきます。
しかしながら、新設した互助会の全てが成功したわけではありません。
中には経営が行き詰り、早期に破綻してしまうところも出てきました。
その頃には、まだ互助会運営のための統一ルールができていなかったため、破綻した互助会の会員は積立金を返金されることもなく泣き寝入りするしかありませんでした。
こうした状況に対して、社会的にも大きな批判が起きることになります。
この状況が続くと互助会業界全体にも悪影響がでてしまうことになると危機感を感じた関係者が集まり、1972年に経済産業省の下に、互助会の全国組織となる、「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」を設立しました。
日本全国の互助会全体にとって初めての業界団体として、208の互助会が加入しました。
互助会運営が健全に行われるよう、業界の統一ルールが設けられました。
全国の互助会が連携されるようになり、互助会の会員が転居した場合にも、転居先の互助会にそれまでの積立金を引き継ぐことができるようにルールが作られました。
奈良県で互助会に加入するメリット・デメリット
奈良県で互助会に加入することの「メリットとデメリット」は、どのようなことがあるでしょう。
メリット
互助会に加入することの一番のメリットとしては、月々わずか数千円という金額の積立を続けていくだけで、将来の冠婚葬祭の出費に備えることができるということです。
また、葬儀のことなどわからないことがあってもすぐに聞くことができるので、万が一のときにも安心できます。
その他に、互助会の関連会社や提携先のお店・企業などの商品やサービスが会員価格になるのでお得です。
デメリット
互助会の積立を始めることで、5年~10年間の長期に渡って総額30万~50万円のお金が、申し込みをしたプラン以外に使うことができず、固定化してしまいます。
また、どうしても手元に現金が必要になって互助会を途中で解約する場合は、返金されたお金から手数料が差し引かれます。
そのほかにも、互助会が提案しているプランの種類が限られていることや、積立金だけで冠婚葬祭費用の総額には足りないことなどは、あらかじめ知っておいたほうがいいでしょう。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する際の注意点をチェックしておきましょう。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会加入のメリットとして、月々わずかな金額の積立を続けるだけで冠婚葬祭の費用にそなえることができるといっています。
しかし、残念ながら、互助会の積立金を全て支払ったとしても、冠婚葬祭のトータルの金額には不足します。
互助会の積立は、月数千円を5年~10年間という非常に長い期間続けていきます。
全て払い終えた後の総額は30万~50万円になり、申込をしていたプランがいつでも利用できる権利を手にすることになります。
ただし、葬儀に必要なものが全てプランに含まれているわけではなく、基本的な装具や運営のサービスなどに限られています。
プランに含まれていない式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代は別途で契約し、費用が追加されます。
金額は参列者の人数で変動しますが、「100万円~150万円程」は考えておいたほうがいいでしょう。
解約には手数料が必要
互助会の積立と同じように、銀行の定期預金や保険会社の生命保険なども、毎月決まったお金を積み立てていきます。
ただし、定期預金や生命保険の解約に手数料はかかりませんが、互助会を解約するためには、手数料がかかります。
積立金を返金してもらう際に、手数料が差し引かれた金額が返金となります。
かつては、この手数料を不服として、訴訟を起こしたケースもあります。
協会の統一ルールができる前には、25%という法外な手数料を差し引いていた互助会もありましたが、現在では「10%~15%」とされています。
経営破綻の可能性もありうる
1970年代になって日本経済は高度成長の時代を迎え、経済が大きく成長しました。
庶民の生活も急激に豊かになったことで、冠婚葬祭にもお金をかける人が増えていきました。
その影響によって互助会の加入者が大幅に増えることになります。
そうした状況に対応して、新たな互助会の立ち上げがあちこちで起こりましたが、それらの全てがうまくいっていたわけではありません。
一部の互助会は、経営が行き詰り、破綻してしまうケースも発生していました。
その当時は、まだ協会の統一ルールが作られていなかったため、破綻した互助会で積み立てをしていた会員に対してまったく返金されず、大きな社会問題ともなってしまいました。
互助会は企業が運営しているものですので、経営がうまくいかずお金が回らなくなれば、破綻してしまうことになります。
互助会の積立期間は5年~10年間という長期間に渡り、その後実際にプランを利用するまで、人によっては10年以上たってから、ということもよくあります。
この数十年間、大切なお金を預けたままとなることを考えると、互助会の経営の安定性はよく見ておく必要があります。
協会の策定した統一ルールによって、積立金の半分は必ず保全されるようになっています。
そのため、万が一、加入している互助会が破綻した場合でも、保全されている金額は必ず返金されるようになりました。
互助会の選び方
互助会の選ぶ際にはどうすればよいか確認しておきましょう。
情報収集
互助会に加入することを考えている方は、まずできるだけ多くの情報を集めることからスタートするといいでしょう。
ほとんどの互助会では自社サイトを通じて情報発信をしていますので、基本的な情報はサイトから取得することができます。
興味がある互助会が見つかれば、サイトから資料請求してさらに詳しく情報を集めていきます。
資料を読んでいまひとつ分からないことや、疑問点などがあれば、どんどん質問していくようにしましょう。
特にお金が関係する点については、しっかりチェックし完全に理解してから先に進めることが大切です。
自宅近くの互助会
互助会に加入してからは、申し込みをしたプランのための積立をしていきます。
5年~10年間は積立をしていくだけですので、互助会の事務所がどこにあるかは気になりません。
ただし、実際に自分のプランを利用することになると、互助会の担当者と何度か打合せをする必要があります。
事務所が自宅から遠いところにあると、こちらに来てもらうにも、先方に出向くにも労力と時間がかかって億劫になることもあるでしょう。
自宅近くにある互助会を選ぶことができれば、こうした負担が少なくなります。
経営状態をチェック
互助会の積立は「5年~10年間」という非常に長い期間続けることになります。
完納した後も申し込みをしたプランを利用するまでは、そのまま預けた状態になり、人によっては数十年後というケースも少なくありません。
このように何十年もの長い間、自分の大切なお金を預けたままになることを考えると、互助会がきちんと経営されているのか、知っておく必要があります。
銀行や保険会社といった金融機関に対しては国などから定期的なチェックがありますが、互助会にはそこまでのものはありません。
互助会が公開している経営情報などを見て確認しておくことが大切です。
また、ネット上にある「口コミ情報」もたまにみておくといいかもしれません。
【奈良県内で互助会に入るならどこ?】奈良県内の葬儀事情・斎場を紹介、互助会加入の注意点や選び方を解説 まとめ
奈良県では、昔からの葬儀習慣は残っていますが、以前のような大規模な葬儀形態は年々少なくなっています。
ここ数年は、「家族葬を中心」とした規模の小さい葬儀が主流となってきています。
それに合わせて葬儀にかける費用も低下してきています。
互助会の事業の在り方も、こうした社会の変化に合わせたものとなってきています。