東北地方の中心地である宮城県は、政令指定都市の仙台市を中心として発展してきた人口約230万人の都市です。
東北地方の太平洋側に位置し、気候的には比較的温暖で降雪が少ないのが特徴です。
産業面では第3次産業が中心の構造になっていますが、多くの大手工業系メーカーも生産拠点を構えています。
近年では仙台駅を中心に交通・商業施設の再開発が進んでいます。
宮城県にある代表的な互助会は、こちらの「3つ」です。
- ベルコ
- 日本セレモニー
- 株式会社フローラ
宮城県で葬儀にかける費用は、全国20位の142万2849円で、平均的な金額となっています。
宮城県内では、古くから伝わる葬儀慣習は未だに一部残されていますが、昔のような近隣住民が総出で手伝い、親戚一同が集まるような大規模な葬儀はなくなってきており、家族葬を中心とした、限られた身内だけで故人を送る規模の小さな葬儀が主流となっています。
その影響で葬儀にかける費用は低下傾向を続けており、今後も続くものと思われます。
互助会に加入することで、月々わずかな積立を続け、「将来の冠婚葬祭にかかる費用に備えることができる」ようになります。
また、万が一の時の相談先がいるということで、安心感を得ることができます。
その一方で、互助会の積立金だけでは冠婚葬祭の費用の全額は賄えないこと、互助会が提供しているプランは限定的であること、契約期間の途中で解約すると返金してもらうのに手数料が必要であること等は事前に知っておくほうがいいでしょう。
宮城県の互助会
宮城県内で事業展開している「3つの互助会」をご紹介します。
ベルコ
ベルコは日本最大級の規模の互助会として、全国に200か所以上の葬儀ホールと30か所以上の結婚式場を保有しています。
加入者数は「263万口」を抱えており、全国で年間4万件以上の葬儀がベルコで行われています。
創業は、昭和44年(1969年)で、兵庫県に設立されました。
その後、全国に展開していき、18道府県に拠点を構えるほどに成長しています。
宮城県内には、支社が2か所あり、葬儀ホール13か所、結婚式場1か所を保有しています。
ベルコが運営する施設はどこも交通アクセスがよく、利用しやすいと高い評価を得ています。
ベルコの会員なることで、これらの施設を会員価格で利用できるほか、グループ会社や提携会社のサービスを割引価格で利用することが可能です。
日本セレモニー
日本セレモニーは、1972年(昭和47年)に、山口県下関市で創業し、グループを形成して全国に展開しています。
現在では会員数約90万口、前受金約1391億円を保有しています。
宮城県内には6つの支店を構えており、県内に7か所の葬儀ホールと2か所の結婚式場を運営しています。
グループ企業では、ホテル、貸衣装、飲食、運送、介護、仏壇・仏具、墓石販売といった事業を展開しており、互助会の会員は割引価格で利用できるようになっています。
株式会社フローラ
株式会社フローラは、福島県南相馬市を本社として1981年(昭和56年)に創業されました。
現在では、パート等を含めて449名の従業員を抱える組織となっています。
グループ全体で結婚式場3か所、葬儀ホール21か所、フラワーショップ2店、レストラン1店を保有しており、宮城県内では9か所の葬儀ホールを運営しています。
会員向けに提携企業の割引サービス等を提供しています。
宮城県の葬儀時事情
宮城県の葬儀事情について、葬儀の「慣習」や「費用」、「主な斎場」をご紹介します。
特徴
宮城県では、仙台都市部を中心に葬儀前に火葬する「前火葬」の形式をとることが多くあります。
これは、東北地方によく見られるケースなのですが、昔は冬で雪が降ると親族が集まるにも時間がかかるため遺体が傷んでしまうことがありました。
そのため、先に火葬してお骨にしてから故人を送るようになったといわれています。
また、近年の葬儀では、初七日法要を繰り上げて葬儀当日に行うことが殆どですが、これを宮城県では百日法要も繰り上げて当日に行うことが多くあります。
この理由は、雪や交通の便の悪さから昔は親族がすぐに集まれなかったためといわれています。
そのほか、三十九日もしくは四十九日のお墓参りで雪駄や草履を供える風習があるそうです。
これは、故人が来世に向かって旅をする途中で履物が傷む頃なので履き替えてください、という意味合いがあります。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると、宮城県は142万2849円で全国20位でした。
宮城県では、隣近所の付き合いや助け合いが今も続いており、参列者数も多めということです。
ただし、近年では、大勢の人が集まる規模の大きな葬儀は数を減らしており、家族や関係が深い人たちだけで故人を送る「家族葬」などの小規模な葬儀が主流となっています。
それに伴い葬儀費用も年々低下を続けており、今後もその傾向は続くと思われます。
斎場
宮城県内の主な公営斎場をご紹介します。
<葛岡斎場>
葛岡斎場は、宮城県仙台市青葉区にある公営斎場です。
平成14年4月から供用開始しています。
20基の火葬炉を備える火葬施設で、葬儀ホールはありません。
仙台市民は市民料金で利用できます。
待合室(洋室)12室、待合室(和室)8室、炉前ホール等が備えられているほか、告別室6室、収骨室6室、遺体保管室などが備えられています。
駐車場には一般用104台、大型用22台、身障者用6台分のスペースが用意されており、車での来場者にも対応可能です。
(アクセス) JR「国見駅」から徒歩15分
<名取市斎場>
名取市斎場は名取市が運営する公営斎場で、火葬炉を4基備えた火葬施設です。
名取市内に住んでいる方は、斎場使用料は無料となっています。
施設内には霊安室があり、故人の安置が可能です。
館内には、待合室・自販機コーナー・多目的トイレを完備しています。
(アクセス) JR「名取駅」からタクシー12分
<塩釜地区りふ斎苑>
塩釜地区りふ斎苑は、塩竈市が運営する公営斎場で令和3年8月に稼働を開始しました。
火葬炉を8基備えています。
告別・収骨室4室のほか待合室が7室あり、火葬終了までの時間に利用することできます。
(アクセス) JR「利府駅」からタクシー10分
互助会の組織とは
互助会の「歴史」や互助会の「仕組み」、そして全国的な「業界団体が設立された経緯」などをご紹介いたします。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
⇒ ご参照ください。
互助会の歴史
互助会は1948年横須賀で生まれました。
戦後の復興が始まって3年程でしたが、まだまだ物資が行きわたっておらず、庶民の生活は厳しい状況が続いていましたが、戦争が終わり、家族の冠婚葬祭をきちんとやってあげたいと考える人が増えていました。
そこで、人々がお金を出し合って必要な設備や装具などを買い集め、皆で使う形式が広まっていきました。
1970年代に入ると、日本経済は高度成長期を迎え大幅に成長し、人々の暮らしも豊かなものになっていきました。
それにつれて冠婚葬祭に費用をかける人も増え、互助会の入会者も急激に増加していきました。
都会に若者が集まるようになり、将来の結婚を考えて互助会に加入する風潮が広まってきました。
バブルが崩壊した1990年代以降では、社会的に少子高齢化が問題となっていきます。
その影響で葬儀件数が増え、互助会の事業の中心となっていきました。
互助会の仕組み
互助会では「相互扶助」といわれるように、会員同士が助け合うことを基本的な考えとして事業を行っています。
互助会の加入者は、まず提案されているプランの中から自分が利用したいものを選び、そのプランのために積立をしていきます。
月々の積立金額は数千円程度で経済的な負担感がない金額です。
積立期間が「5年~10年間」という非常に長期間に渡ることが特徴です。
積立金を完納すると、自分が申し込んだプランがいつでも利用できる権利を手にすることになり、この権利は生涯にわたって利用可能です。
完納前であっても残金を全て支払えば同様の権利を得ることができます。
多くの会員を抱えている大規模な互助会組織では、月々預かる積立金の金額は巨額になり、預り金額が数百億円となっている互助会もあります。
こうした資金力を活かして、冠婚葬祭施設の建設資金としたり、設備を揃えたり、従業員を雇用してサービス提供するようにしています。
互助会の多くは、冠婚葬祭に関する関連会社を運営し、貸衣装、飲食、返礼品、写真撮影などを会員向けに提供しているほか、多くのお店や企業と提携することで、会員向けに割引サービスを提供しています。
全国的な互助会組織
日本全国に互助会は約250あり、それぞれは別個の組織として独立した形で運営されています。
全ての互助会の会員の合計は「約2240万人」、預り金の総額は「2兆5000億円」となっています。
日本国内で営まれる葬儀の約2割は互助会の運営によるものです。
1970年代の高度成長期には、日本経済が急激に拡大したことに合わせて、国民生活も豊かなものになっていきました。
多くの若者が都会に移り住み、将来の結婚のために互助会に入るという流れができたことで、互助会の会員数も急激に多くなっていきました。
そうした状況をみて、新たな互助会が次々に創設されていきましたが、全てが成功していたわけではありません。
中には経営に問題を抱え、資金が回らなくたって破綻するケースも現れるにようになります。
互助会運営の統一ルールがなかったために、破綻した互助会では会員に積立金を返金することがなく、そのことで社会的に大きな批判を浴びることになりました。
このままの状況が続くことは互助会の将来に支障をきたすと危機感を感じた人たちが集まり、1972年経済産業省の下に互助会の全国組織となる「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」を設立することとなりました。
この協会は互助会初の全国的な業界団体となり、208の互助会組織が加盟しています。
全国の互助会を健全に運営していくために統一ルールを構築し、全国的な連携ができるようになりました。
互助会会員は転居した場合でも、転居先にある互助会に積立金を引継ぎできるようになりました。
宮城県で互助会に加入するメリット・デメリット
宮城県で互助会に加入することの「メリットとデメリット」は、どのようなことがあるでしょう。
メリット
互助会に加入することで得られる一番のメリットは、月々わずかな積立を続けるだけで将来の冠婚葬祭に備えることができるということです。
冠婚葬祭には、まとまったお金が必要になりますので、互助会の会員になることで安心感につながります。
また、いざという時の相談先が確定しているというのも、メリットといえるでしょう。
万が一の場合には、慌ててしまって、何をどうすればいいのか、わからないことも多いものです。
その他、互助会では関連会社が多くの提携先を抱えており、商品やサービスを会員向けに割引で利用できるようにしています。
デメリット
互助会では5年~10年という長期間に渡って積立を続け、30万円~50万円のお金になりますが、このお金は申込んだプラン以外には使うことができません。
お金の使い道が固定化されていることになります。
また、どうしても手元に現金が必要になった場合などに、互助会を解約して積立金の返金をしてもらおうとすると、手数料が引かれてしまいます。
それ以外に、互助会が用意しているプランに限りがあること、互助会の積立だけでは冠婚葬祭にかかる費用の全てを賄うことができないことなどは、予め頭に入れておく必要があります。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する際の注意点をチェックしておきましょう。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会では、月々わずかな金額の積立を続けるだけで冠婚葬祭費用に備えることができるとうたっています。
しかしながら、互助会の積立だけでは冠婚葬祭費用の全額には足りません。
互助会の積立は、月々数千円で、これを5年~10年間続け、「総額は30万円~50万円」となります。
これで申し込みしていたプランを利用する権利を取得することになりますが、プランに含まれているものは、基本的な装具や式典の運営サービス程度です。
その他の、式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代は含まれていませんので、この分の費用は用意しておく必要があります。
参列者の人数で変動しますが、「100万円~150万円ぐらい」は用意しておいたほうがいいでしょう。
解約には手数料が必要
互助会の積立と同じように毎月定額を積み立てるのが、銀行の定期預金や保険会社の生命保険などです。
しかし、解約においては大きな違いがあります。
定期預金や生命保険の解約には手数料がかかることはありませんが、互助会を解約し返金してもらう際には手数料が差し引かれた金額となります。
この手数料をめぐっては、納得できないとして訴訟になったケースもあります。
以前は互助会運営の統一ルールが確立しておらず、中には25%という法外な手数料をとっていた互助会がありましたが、現在では「10%~15%」に制限されています。
経営破綻の可能性もありうる
1970年代の高度成長期に入ったころは、日本経済は急激に成長し、庶民の暮らしも豊かになりました。
人々は冠婚葬祭にお金をかけられるようになり、互助会に加入する人も一挙に増えました。
そうした状況を見て、新たな互助会が次々に創設され参入してきましたが、全ての互助会がうまくいっていたわけではありません。
一部の互助会では経営に行き詰り、資金繰りに困って経営破綻してしまうケースも現れました。
かつては、互助会運営の統一ルールが構築されていなかったことで、加入していた互助会が破綻した場合にも、まったく返金がされず、社会的な問題として取り上げられることもありました。
互助会は私企業であるため、経営に行き詰れば、破綻する可能性は十分にあります。
互助会との付き合いは、積立期間が5年~10年、実際にプランを利用するまでに数十年後という非常に長期間になる可能性があります。
これだけの間、自分のお金を預けておくということを考えると、経営状態は気にしておいたほうがいいでしょう。
互助会運営の統一ルールが確立されたおかげで、積立金の半分は必ず保全されることになりましたので、万が一、破綻した場合にも保全されている金額は戻ってくることになりました。
互助会の選び方
互助会の選ぶ際にはどうすればよいか確認しておきましょう。
情報収集
将来に備えて互助会に加入することを考えている場合、まずは、情報収集を進めていくことです。
殆どの互助会では、「自社サイト」を用いて情報発信をしていますので、そこから基本的な情報を得ることができます。
その中で興味を持つような互助会があれば、資料請求をして、さらに詳しい情報を取得するようにしましょう。
集まった情報をチェックしているうちに、疑問に思うことや分からないことが出てくることがあるでしょう。
その場合には、躊躇せずに、担当者に質問していくことが必要です。
特にお金に関することは、100%理解でき手から加入手続きをするようにしましょう。
自宅近くの互助会
互助会に加入しても、「5年~10年の間は積立をしていく」だけなので、互助会の事務所の場所はあまり関係ないでしょう。
しかし、自分の冠婚葬祭を執り行うとなった場合には、担当者との打ち合わせが必要になります。
そのときに、事務所が自宅から遠いところにあると、自宅に来てもらうにも、先方の事務所に行くにも、時間と労力がかかり億劫になります。
互助会が近くにあれば、気軽に相談しやすくなります。
もし可能であれば、自宅から近くにある互助会を選ぶことをおすすめします。
経営状態をチェック
互助会の積立期間は5年~10年間と長期に渡ります。
そして、その積立を完納した後に自分の観光葬祭に利用するまでには、人によっては数十年後ということもよくあります。
こうした長期間、自分のお金を預けたままになることから、互助会の経営状態には気をつけておく必要があります。
銀行や保険会社のような金融機関であれば、公的機関がチェックし、経営状態を確認しますが、互助会の場合はそういったチェックはありません。
加入者自身が、互助会の公開情報などを通じて経営状態を確認しておかなければなりません。
ネット上の「口コミ情報」と併せて確認しておくようにしましょう。
【宮城県内の互助会ならどこに加入すべき?】宮城県内の葬儀事情・斎場を紹介、互助会加入の注意点や選び方を解説 まとめ
宮城県では、昔ながらの葬儀慣習が一部に残り、隣近所との付き合いも深いものがあります。
しかしながら、かつてのような大規模な葬儀形式は次第に数を減らし、近年では、「家族葬を中心」とした小規模な葬儀がメインの形式となってきています。
葬儀にかける費用も年々低下を続けており、互助会の事業の在り方も、こうした社会の変化に対応するものとなってきています。