岩手県は、日本の東北地方に位置し、県庁所在地は盛岡市、総人口は約118万人の都市です。
広大な土地と、山岳に囲まれた地形を活かした農業・畜産業が主な産業となっており、「ひとめぼれ」ブランドの米が有名です。
三陸海岸で獲れるあわび等の漁業も盛んに行われています。
岩手県で葬儀気にかける費用は「120万2005円」で全国35位でした。
岩手県内で執り行われる葬儀には、昔から続くしきたりが今も残っていますが、かつて盛んに行われたような、大勢の関係者が参列する形式の葬儀は姿を消しつつあります。
他県と同様に、家族などの限られた人たちだけで故人を送り出す家族葬がメインとなってきており、葬儀にかける費用も低下傾向を続けています。
互助会は、加入し積立を続けるだけで、将来の冠婚葬祭にかかる費用に備えることができるというメリットがあります。
また、いざという時にすぐ相談できることが安心感につながります。
ただ一方で、互助会の積立金だけで葬儀にかかる費用のすべては賄えないこと、互助会の解約には手数料が必要になること、互助会で提供しているプランは限られていることなどは、事前に知っておいたほうがいいでしょう。
目次
岩手県の互助会
岩手県内で事業展開している「3つの互助会」をご紹介します。
ベルコ
日本最大級の規模の互助会であるベルコは、加入者数263万口、年間に4万件以上の葬儀を営んでいます。
昭和44年(1969年)「株式会社阪神互助センター」として兵庫県西宮市を本店として創立し、50年以上の長い間事業を行っています。
サービスエリアは、岩手県を含めた18道府県にまで広がりました。
日本全国に200ヵ所以上の葬儀ホールと、30か所以上の結婚式場を保有しており、岩手県内には5か所の葬儀ホールがあります。
関連会社では冠婚葬祭にかかわるサービスを提供しており、会員は特典として割引価格で利用することができます。
アルファクラブ東北株式会社
アルファクラブ東北株式会社は、平成27年に旧株式会社ライフアンサージと株式会社岩手互助センターが合併して創設されました。
福島県郡山市に本店を置き、東北に9か所の営業拠点を構えています。
互助会の会員数は15万4000口、前受金の総額は252億5700万円に上ります。
岩手県内には2か所の営業拠点があり、2か所の結婚式場と43ヵ所の葬儀ホールがあります。
互助会の運営の他に、仏壇仏具、墓、返礼品、生花などを取り扱う事業を展開しています。
ナイスライフシステム サンファミリー
岩手県でナイスライフシステムを運営している株式会社サンファミリーは、盛岡市に本店を置き、1972年に創設されました。
現在では岩手県内7か所に営業所を開設し事業を展開しています。
岩手県内には、1か所の結婚式場と13か所の葬儀ホールがあります。
ライスライフシステムは、全国に80か所を超える支店と、29か所の結婚式場、200か所を超える斎場式場を有し、愛グループが運営しております。
ナイスライフシステムの加入口数は、平成30年1月現在で約90万口、約1300億円の積立金を預かっています。
岩手県の葬儀時事情
岩手県の葬儀事情について、葬儀の「慣習」や「費用」、「主な斎場」をご紹介します。
特徴
岩手県内では、葬儀の前に火葬が行われることが多かったのですが、近年、市街地では家族葬で葬儀の後に火葬するケースが増えています。
かつては、通夜を連日続けられることが知られています。
これは、岩手県は面積が広く、行き来が大変だった時代の名残です。
大船渡市、陸前高田市、住田町の一部地域では、通夜の他にも、「おちつき」という風習があります。
葬儀を自宅で行う場合、弔問者にうどんとお餅でもてなします。
これも来訪が大変な中、来てくれたことへの感謝とねぎらいの意味があります。
棺に入れるものとして、三途の川の渡し賃として六文銭を入れる風習が全国的ですが、岩手県では、あの世での暮らしに困らないように、「百万円」「1億円」と書いた紙を入れるケースが多いようです。
また、食べるものに困らないようにと、雑穀を入れる地域もあります。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると岩手県は、全国35位の120万2005円となっています。
岩手県では、葬儀の飲食には費用をかけており、親せきや近所の知り合いも招待して会食をすることが多くあります。
しかし、葬儀の規模は年々小さくなっていく傾向にあり、昔のような大規模な葬儀が執り行われることは少なくなりました。
家族やごく親しい人だけの限られた人数で故人を送る家族葬がメインとなってきており、他県と同様に、葬儀にかける費用は低下傾向にあります。
斎場
岩手県内の主な公営斎場をご紹介します。
<花巻市営火葬場 東和斎場>
花巻市営火葬場 東和斎場は花巻市の公営斎場です。
JR釜石線土沢駅から350 mと近く、駅から徒歩で行ける場所にあります。
斎場の建物は古いですが、比較的広くゆったりとした造りになっており、手入れが行き届いていて清潔感があります。
(アクセス) 釜石線「土沢」駅から徒歩7分
<盛岡市斎場やすらぎの丘>
盛岡市斎場やすらぎの丘は盛岡市の公営斎場です。
施設・設備も最新式で、清潔感があり、心地よい雰囲気の建物です。
駐車場にはエレベーター、斜路には融雪設備を備えており、足元が悪い中でも安心して利用できます。
バリアフリーにもしっかり対応しているので、高齢者や体の不自由な方も負担が少なく利用できます。
(アクセス) JR山田線上盛岡駅からタクシー5分
<釜石斎場>
釜石斎場は、釜石市によって運営されている市営の斎場です。
建物は比較的新しく、3基の火葬炉と2室の待合室があり、落ち着いた雰囲気で故人を送り出すことができる雰囲気の場所です。
(アクセス) 三陸鉄道南リアス線釜石駅からタクシー10分
互助会の組織とは
互助会の「歴史」や互助会の「仕組み」、そして全国的な「業界団体が設立された経緯」などをご紹介いたします。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
戦後の復興のさなか、1948年に互助会の歴史が始まりました。
まだまだ物資が不足し、庶民の生活は厳しい状態が続いていましたが、そうした中でも家族の冠婚葬祭はしっかりやってあげたいと思う人が増えていたことが背景としてありました。
そこで、会員同士がお金を出し合い、お互いに助け合う仕組みが作られていきました。
1970年代にはいると、日本経済は目覚ましく発展する高度成長期になり、人々の暮らしが大きく変化していきました。
生活が豊かになるにつれて、冠婚葬祭を行う余裕が生まれ、互助会に加入する件数が大幅に増加していきます。
仕事を求めて若者が都市部に集まるようになり、そこで将来の結婚に備えて互助会の積立が広まっていきました。
バブルが終焉を迎えるころになると、日本社会は本格的な少子高齢化時代を迎えることになります。
葬儀件数も右肩上がりに増えていったことから、互助会の事業も社会情勢に合わせて変化していきました。
互助会の仕組み
互助会の基本精神は「相互扶助」という、会員同士がお互いに助け合うという考え方が根本にあります。
加入した会員は、まず自分が希望するプランを選択し、そのプランの設定金額に向けて積立をしていきます。
月々の積立金額は、数千円程度となっており、経済的な負担はありません。
その分、積立期間が「5年~10年」と非常に長期間になっています。
積立を全て終わらせると、会員としてそのプランを利用できる権利を得ることになり、その権利は生涯にわたって続くのが特徴です。
完納前であっても、残金を全て払うことで、同じ権利を手にすることができます。
会員が多い互助会では、多くの積立金が集まってきますので、その豊富な資金を活用し、冠婚葬祭の施設建設に使ったり、設備を購入したり、人を雇ってサービスを提供したりしていきます。
多くの互助会では、グループ会社を運営し、冠婚葬祭に関連する貸衣装、飲食、返礼品、写真撮影等といったサービスの提供を行っています。
互助会の会員は特典として、これらのサービスを割引価格で利用できるようになっています。
全国的な互助会組織
日本国内にある互助会組織は全部で250ほどあり、それぞれは独立した組織として運営されています。
こうした互助会の会員の総数は「約2240万人」、預かっている積立金のトータルは「2兆5000億円」という莫大な金額になります。
日本全国で営まれた葬儀のうち、約2割は互助会が関わっています。
1970年代の高度成長期には、日本全土が経済成長の恩恵を受け、人々の生活も豊かになり、互助会介入者も大幅に増えました。
そうした状況を見て、新規に創設される互助会がいくつも現れましたが、中には早々に経営が行き詰る互助会も現れました。
その頃にはまだ互助会運営に関するルールがしっかりとできていなかったため、破綻した互助会の会員に返金がされず、社会的な問題になりました。
そうした状況を目にして、このままでは互助会のイメージが悪くなり、将来的にも大きな問題になると危機感を感じた関係者が連携し、全国的な互助会の業界団体の立ち上げに動きました。
1972年に、経済産業省の管轄の下、「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」が立ち上げられ、全国の互助会のうち208の互助会が加入しました。
協会では、互助会運営のために統一ルールの構築を進め、全国の互助会が連携するような仕組みが作られました。
互助会の会員が転居した場合にも、転居先の互助会に積立金を引継ぎできるよう、ルールとして定められることになりました。
岩手県で互助会に加入するメリット・デメリット
岩手県で互助会に加入することの「メリットとデメリット」はどんなことがあるでしょうか。
メリット
互助会に加入するメリットは、月々数千円という金銭的に負担がない金額を毎月積立することで、将来必要になる冠婚葬祭にかかるお金の準備ができることです。
さらに、会員であることで、万が一の事が起きた場合にも、すぐに相談できる安心感も得ることができます。
その他に、互助会が運営している会社や関連会社、また提携しているお店などのサービスや商品を会員価格で安く利用することができます。
デメリット
互助会の積立金は5年~10年という長期間続けられますが、使い道としては申込したプラン以外にはなくなります。
このようにお金が固定化されることが大きなデメリットといえます。
また、何かの事情でお金が必要になり、互助会を解約して現金を引き出そうとしても、手数料が差し引かれるということもデメリットといえるかもしれません。
その他にも、プランの種類が少ないことや、積立金だけでは冠婚葬祭を執り行うために必要な金額には足りないことなどは、あらかじめ知っておいたほうがいいでしょう。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する際に注意すべきポイントを知っておきましょう。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会のシステムとして、毎月わずかな金額の積立金を続けていくことで将来の冠婚葬祭にかかるお金を用意できるといわれています。
ただし、この積立金は冠婚葬祭にかかるトータルの費用にはかなり不足しています。
互助会の積立期間は、「5年~10年」という長期間ですが、1月分の金額は数千円しかありませんので、完納した金額は「30万円~50万円」です。
このお金は、加入時に申し込みをしたプランの費用に充てられますが、プランに含まれているのは、基本的な装具や式典の運営サービスの料金に限られています。
式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代は、プラン外ですので、別途費用の用意が必要です。
参列者の人数で大きく変わりますが、「100万円~150万円程度」は用意しておく必要があります。
解約には手数料が必要
互助会の積立金と同じように、銀行の定期預金や生命保険なども毎月積立をつづけていくものです。
定期預金や制目保険は、解約する際に手数料がかかることはありませんが、互助会は解約すると積立金から手数料を差し引いた金額が手元に返金されます。
このことを不服として、訴訟を起こしたケースもありました。
互助会の運営ルールがまだできていなかった頃は、25%というひどく高額な手数料を取っていた互助会もありましたが、現在では、「10%~15%」となっています。
経営破綻の可能性もありうる
1970年代の高度成長の時代には、日本経済が大きく成長し、人々の暮らしも豊かになりました。
そして、多くの人が互助会に加入し、将来に備える余裕ができていきました。
こうした時代の変化を見て、新たな互助会を創設する動きが盛んになり、次々に立ち上げられていきました。
しかし、その中には、経営がうまく回らずに行き詰ってしまう互助会も現れるようになり、破綻するケースも出てきました。
当時は、互助会運営のルールがしっかりとできておらず、そのため破綻した互助会の会員だった人には返金がなされず、大きな問題として取り上げられることになりました。
互助会は企業が運営するものですから、経営が行き詰れば破綻することは十分あり得ることです。
大切なお金を預けることになりますので、事前に経営状態は知っておいたほうがいいでしょう。
現在では、協会においてルールが作られ、積立金の半額は必ず保全されるような仕組みができています。
万が一、互助会が経営破綻に陥った場合でも、積立金の半額は保全されているので、返金されることになっています。
互助会の選び方
互助会の選び方を事前に確認しておきましょう。
情報収集
互助会に入ろうかと考えている方は、まずできるだけ情報を集めることからスタートしましょう。
殆どの互助会では「ウェブサイト」から情報発信しており、基本的な情報はそこで得ることができます。
ウェブサイトをひととおり見て、さらに詳しい情報を知りたい場合には、資料請求をしていくようにします。
資料をチェックしていくうちに、いろいろな疑問点や不明点が出てくると思いますので、どんどん質問していきましょう。
特にお金が関係することは、完全に理解できるまで、何度でも聞いて納得してから手続きを進めるようにしましょう。
自宅近くの互助会
互助会の加入後は、冠婚葬祭のタイミングまで積立を続けていくことになるため、互助会の事務所の場所がどこにあるのかは、それほど関係ありません。
ところが、実際に式典を行うということになると、担当者との打ち合わせが不可欠ですので、あまり自宅から離れたところにあるようだと、来てもらうのも申し訳ないし、こちらから行くにも負担があります。
近くにいることで、どんなことでも相談できる安心感もありますので、可能であれば事務所が近い互助会を選ぶ方がいいでしょう。
経営状態をチェック
互助会では、5年~10年間という長期間の積立を続け、完納後も実際に冠婚葬祭のプランを執り行うまで、人によっては10年以上あとになることも少なくありません。
そうした長い期間に自分のお金を預けたままになることを考えれば、安全性が気になるところです。
金融機関には公的な検査が入りチェックされますが、互助会では行われていません。
公開されている経営情報に目を通すなどして、経営状態は確認しておいたほうがいいでしょう。
ネット上にも様々な「口コミ情報」が上がっていますので、ひととおり確認しておくことをおすすめします。
【岩手県内の互助会を選ぶならどこ?】岩手県の葬儀事情・斎場を紹介、互助会の選び方や注意事項を解説 まとめ
岩手県は、葬儀の際に親せきや近所の人を招いた会食を盛んに行うようですが、しだいに規模が縮小化してきており、家族葬をメインとした「小規模な葬儀が主流」になっています。
他県同様に今後もこうした傾向は続くことと思われます。
互助会の在り方も、社会の動きに合わせて変化していくことになります。