佐賀県は、九州の北西部に位置し、人口約81万人で、人口・面積共に九州7県の中では最も少なく、全国でも人口・面積ともに全47都道府県中42番目の県です。
お茶や唐津・伊万里・有田などの古くからの陶磁器の産地として有名です。
佐賀県では葬儀にかける費用は、全国43位の「107万1585円」で、他県と比較して少ない金額となっています。
葬儀においては、古くからのしきたりや慣習が残っていますが、昔よく見られたような大勢の参列者が訪問する大規模な葬儀は、次第に姿を消してきて、「家族葬」など限られた人たちで故人を送るスタイルの葬儀が主流となってきています。
その影響で葬儀にかける費用も年々低下の傾向となっています。
互助会に加入すると、月々わずかな積立金で将来の冠婚葬祭にかかる出費に備えることができ、万が一のときの相談相手も確保できるというメリットがあります。
ただし、互助会の積立金だけでは冠婚葬祭のトータルの金額には不足であること、互助会が用意しているプランのバリエーションは限定的であること、また解約には手数料がかかることなどは、前もって知っておく必要があります。
目次
佐賀県の互助会
佐賀県内で事業展開している「互助会2つ」をご紹介します。
株式会社メモリード
昭和44年(1969年)に長崎県でメモリードグループが創設されメモリードグループ全体で、従業員数3200名(パートタイムを含む)という大規模な組織となっています。
長崎・佐賀・福岡・宮崎・群馬・埼玉・東京を営業エリアとして展開しており、佐賀県内に、ホテル・結婚式場7施設、葬儀関連ホール22施設を保有し、葬儀の相談センターや衣装サービスの会社など、関連事業を運営しています。
結婚式、お葬式、成人式、法事など利用の目的に合わせた様々なプランがあり、会員向け飲食店や企業などのサービスが割引料金で利用できる特典を用意しています。
冠婚葬祭セリエンス
セリエンスは、福岡県に本社を置く株式会社 平安閣エヌピーオー互助会が運営している互助会です。
昭和34年(1959年)に創業し、累計約20万件、年間で約3,500件の冠婚葬祭施行実績を持っています。
佐賀県内に6か所の葬儀ホールと1か所の結婚式場ホテルを保有しており、葬儀や結婚式向けのプランの他に、法要、成人式、婚活などに役立つプランやサービスを提供しています。
佐賀県の葬儀時事情
佐賀県の葬儀事情について、「葬儀の慣習」や「費用」、「主な斎場」からご紹介していきます。
特徴
佐賀市などでは、葬儀で焼香をおこなうとき「100円硬貨を置く」という慣習があります。
そのため、焼香台の下には専用の箱が置かれており、集まったお金はお寺に寄付されます。
唐津市などでは、出棺のときに親族が亡くなった人同様に頭に三角形の布をつけ、棺を3回まわすというしきたりがあります。
また、納骨した後には、お墓の前に団子と個人が使っていた茶碗に水を入れてお供えします。
帰り道は行きとは違った道を通ります。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると、佐賀県は全国43位の107万1585円となっています。
以前は主流であった多くの参列者が集う一般葬は近年少なくなり、家族など限られた身内の人たちだけで故人を送るスタイルの「家族葬が中心」となってきています。
葬儀費用も次第に低下の傾向を続けるようになってきており、今後もこうした傾向は続くと考えられています。
斎場
佐賀県内の主な公営斎場をご紹介します。
<鳥栖市斎場>
鳥栖市斎場は鳥栖市が運営する市営の斎場です。
鳥栖市民であれば火葬費は無料です。
葬儀ホールは併設されていないため、別の施設で行った後、こちらに移動してくる必要があります。
(アクセス) JR「弥生が丘駅」よりタクシー10分
<つくし斎場>
つくし斎場は、佐賀市の公営斎場です。
火葬場のみで葬儀ホールはありません。
建物はやや古いですが、バリアフリーにしっかり対応しています。
静かな自然に囲まれた環境で厳かな気持ちになれます。
(アクセス) JR「伊賀屋駅」よりタクシー10分
<浜玉斎場さくら苑>
浜玉斎場さくら苑は、佐賀県唐津市にある公営斎場です。
敷地内に葬儀式場と火葬施設があります。
葬儀・告別式後に火葬場までの移動の負担が抑えられます。
安置施設があるため、葬儀や火葬までの間ご遺体の安置が可能です。
(アクセス) JR「鹿家駅」よりタクシー5分
互助会の組織とは
互助会の「歴史」や「互助会の仕組み」、そして全国的な「業界団体が設立された経緯」などをご案内します。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
互助会の歴史が始まったのは1948年の横須賀のことです。
戦後の焼け跡から復興は始まったものの、物資が不足し人々の生活も苦しい時代でした。
それでも家族の冠婚葬祭はきちんとやってあげたいという想いを持つ人が、少額のお金を出し合い、必要な設備を購入して皆で使う仕組みができていきました。
その後、日本は経済的に驚くほどの成長を見せ、国民生活も豊かになっていきました。
それに伴い、互助会の組織は全国に広がり、加入者は大幅に増えていきました。
仕事を求めて若い人たちが都市部に集まるようになり、将来の結婚に備えて互助会に加入することが広まっていきます。
近年では少子高齢化の流れが進んでいき、葬儀のニーズが高まっていきました。
互助会も社会の動きに合わせて、葬儀事業が大きな柱となってきています。
互助会の仕組み
互助会の基本精神は、会員同士がお互いに助け合う「相互扶助」という考え方です。
加入の際に選んだプランに合わせて、毎月数千円の積立をしていきます。
積立期間は「5年~10年」と長期間になるのが特徴です。
この期間の積立を終えて完納することで、自分が選んだプランを会員価格で利用できる権利を手にすることができ、この権利は生涯に渡って持ち続けることになります。
もし積立の途中でプランを使いたいとなった場合は残金を支払えば会員価格での利用が可能です。
互助会は多くの会員を抱え、毎月の積立金を預かっています。
その豊富な資金を活用して、冠婚葬祭の施設建設や設備購入、従業員の確保を進めています。
多くの互助会では、冠婚葬祭に関連するグループ会社を運営しており、会員向けに会食、貸衣装、写真撮影、法要といったサービスを会員価格で提供していります。
全国的な互助会組織
日本全国に冠婚葬祭互助会は、約250の組織が存在しており、それぞれが別々の独立した組織として運営されています。
これら互助会の会員総数は「2240万人」、積立金の総額は「2兆5000億円」にも上ります。
国内の葬儀の約2割が、互助会によって執り行われたものといわれています。
日本の経済は高度成長期に目覚ましい発展を遂げました。
その成長とともに互助会加入者も大幅に増えていきました。
新たな互助会も次々に立ち上げられていきましたが、その中には、しっかりとした経営がなされておらず、早々に破綻に追い込まれる互助会もありました。
運営ルールが確立されていなかったこともあって、破綻した互助会の会員が積み立てていたお金が戻ってくることがなく世間の批判が集まっていきました。
こうした状況によって互助会の将来に対する危機感が高まっていき、全国の互助会が協力して改善していこうとする動きが広まりました。
1973年に、経済産業省の管轄で「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」が創設され、208の互助会が加盟しました。
協会では、互助会の運営を健全化するため、統一のルールを定め、全国の互助会が連携する形を作っていきました。
互助会の会員が転居した場合でも、転居先にある互助会にこれまで積み立ててきた積立金をそのまま引き継ぐことが可能になりました。
佐賀県で互助会に加入するメリット・デメリット
佐賀県で互助会に加入することの「メリットとデメリット」はどういったことがあるでしょうか。
メリット
互助会加入の大きなメリットは、月々わずかな金額の積立を続けるだけで、将来の冠婚葬祭に必要なお金を準備できることです。
積立金は月数千円と経済的に負担のない金額に設定されているため続けやすくなっています。
また、加入者はいざという時に「どこに相談すればいいかが明確」になっているため、心強いということがあります。
その他に、互助会が会員向けに用意しているサービスとして、提携のお店や会社の商品やサービスを割引価格で利用できるようになっていることが多いです。
デメリット
互助会の積立金は、契約したプラン以外に使うことができず、固定化されることが「デメリット」です。
もし何かの事情で、現金が手元に必要となった場合に、互助会を解約する際には手数料がかかります。
それ以外にも、互助会が用意しているプランの種類が限定的であることや、積立金だけで冠婚葬祭の式典にかかる全ての費用は賄えないことは、あらかじめ確認しておくことが大切です。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する際に注意すべきことを確認しておきましょう。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会の積立は月々数千円ですので、経済的な負担がありません。
しかし、これで将来の冠婚葬祭にかかる費用の心配がなくなったわけではないので、注意が必要です。
互助会の積立期間は「5年~10年」という長期間ですが、月々の金額は数千円ですので、完納した時の金額は「30万円~50万円」といったところです。
完納した時点で契約したプランの料金は賄えることになりますが、プランに含まれているのは基本的な装具や式典の運営サービスにかかる料金のみです。
式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代は含まれていません。
参列者の人数がどのぐらいになるかで大きく変動しますが、積立金以外に「100万円~150万円程度はかかる」と考えておいたほうがいいでしょう。
解約には手数料が必要
互助会の積立金と同様に毎月積み立てていくものとして、定期預金や生命保険などがあります。
これらを解約する場合には手数料は不要ですが、互助会を解約するには手数料がかかるので注意しなければなりません。
事情があって現金がどうしても必要となった場合に、解約したとしても積立金から手数料が引かれて戻ってきます。
互助会の全国組織である全日本冠婚葬祭互助協会が創設される以前は、統一のルールがなく、25%以上の法外な手数料をとっていた互助会もありましたが、現在は「10%~15%」となっています。
経営破綻の可能性もありうる
高度成長期には日本経済が急速に発展し、人々の生活も豊かなものになっていきました。
都市部に移ってきた若い人たちが将来の結婚に備えて互助会に加入することが増え、互助会の会員数も急激な伸びを見せました。
そうした状況を見て、新設された互助会があちこちに出てくるようになりましが、なかには管理体制が不十分であったり、会員獲得がうまくいかなかったりして、経営破綻してしまう互助会も現れるようになりました。
互助会運営の統一ルールがなかったことで、破綻した互助会の会員には返金がなされず、社会的にも問題として取り上げられました。
互助会の経営がうまくいかなければ、破綻することもあり得るということを加入者も知っておく必要があります。
現在では、互助会運営の統一ルールが整備され、会員の積立金の半分は保全されています。
互助会の選び方
互助会を選ぶ際には、「どのように選ぶといいか」をチェックします。
情報収集
互助会への加入を考えているならば、まずはできるだけ多くの情報を集めていきましょう。
人の勧めがあるからといって、すぐに加入するのではなく、ほとんどの互助会では「ウェブサイト」を公開しているので、基本情報を見ておくことです。
その中でもっと詳しく知りたいところがあれば、サイトから資料請求をしていきましょう。
情報を集めているうちに、疑問や不明点があれば、些細なことであっても確認しておきましょう。
特にお金に関することは100%納得するまで調べておくようにしましょう。
自宅近くの互助会
互助会に加入後、積立をしているときには事務所の場所がどこかということは気になりません。
しかし実際に冠婚葬祭を行う段階になると、担当者との打合せが必要になります。
その際に、自宅に来てもらうにも、こちらから事務所に行くのにも、大変な労力が必要で億劫になります。
場所が近ければ、大したことでなくでも気軽に相談しやすくなります。
選ぶ際には、自宅から近い場所の互助会を選ぶことをおすすめします。
経営状態をチェック
互助会の積立は5年~10年間という長期間に渡るものです。
しかも完納した後も実際にプランを利用するまでは、預けっぱなしの状態で、人によっては10年以上そのまま、ということもあります。
それほど長い間預けておくのですから、経営状態には目を光らせておくほうがいいでしょう。
万が一、経営破綻となれば、預けたお金のうち半分しか戻ってきません。
互助会では、情報公開として経営状態をまとめた資料を見られるようにしているところがあります。
事前にチェックし、大きな問題がないか確認しておきましょう。
それ以外にもネット上の「口コミ」や「評判」も確認しておくといいでしょう。
【佐賀県で互助会に加入したいなら?】佐賀県の葬儀慣習や費用、互助会の選び方や注意点を紹介 まとめ
佐賀県は、人口の少ない地方都市で昔からの葬儀慣習も残されています。
葬儀にかける費用は、全国的に見て少ない地域ですが、今後も家族葬を中心とした小規模葬儀がメインとなることから低下傾向が進むものと思われます。
互助会のサービスも、こうした社会の動きに合わせて展開されていくことでしょう。