全国的にも知名度が高い別府温泉や湯布院温泉など、大分県は温泉地として有名です。
総人口は全国33位の110万人で、多くの山に囲まれていることで、人口の43%が県庁所在地の大分市に集中しています。
大分県にある代表的な互助会はこちらの「3つ」です。
- セルモグループ株式会社セルモ
- 株式会社サンレー
- 株式会社ラック
大分県は葬儀にかける費用が全国28位の「128万2397円」で、他県との比較では中間的な金額でした。
大分県には古くからの葬儀慣習が残っているところがありますが、以前には多く見られたような、近所の人たちも参列する規模の大きな葬儀は少なくなり、家族だけで葬儀を執り行う形が増えてきています。
それに伴い葬儀にかける費用も年々低下の傾向を続けています。
互助会に加入することで、毎月わずかな積み立てをしていくだけで将来必要な冠婚葬祭にかかる費用に備えることができ、万が一の時の相談先が確保できるという「メリット」があります。
ただし、互助会に積み立てたお金だけでは全てをカバーできないことや、プランの種類は限定されていること、もしどうしても途中で解約する場合には、手数料が必要になること等はあらかじめ知っておいたほうがいいでしょう。
目次
大分県の互助会
大分県内で営業展開している「3つの代表的な互助会」を紹介いたします。
セルモグループ 株式会社セルモ
1968年(昭和43年)に熊本で創業しました。
現在は熊本本社の他、支社を熊本県、鹿児島県、大分県に置き営業展開しています。
大分県内では1か所の結婚式場と、7か所の葬儀ホールが運営されています。
セルモグループ全体では2500名の従業員が働いている大組織となっており、会員数は40万口、前受金は432億円にも上ります。
年間の婚礼件数は「186件」、葬儀件数は「5722件」となっています。
株式会社サンレー
サンレーは、1966年(昭和41年)に福岡県北九州市を拠点として創業し、現在では、北九州の本社のほかに大分県、宮崎県、石川県、沖縄県で営業しています。
サンレーグループ全体では、年間「約1000件」の結婚式と「1万2000件」の葬儀を行っており、従業員の総数は約1500名という大きな組織となっています。
大分県内には2か所の結婚式場と9か所の葬儀ホールを保有しており、冠婚葬祭に関する事業の他、介護や温浴施設の運営といった事業も扱っています。
株式会社ラック
福岡市に本社を構えるラックは、1967年(昭和42年)に創設され、現在では250名の従業員を抱える組織となっています。
互助会として冠婚葬祭事業を運営する他、貸衣装、写真撮影を行っており、関連会社には運送、美容着付け、人材派遣、ギフト、花卉事業の会社があります。
大分県内では、結婚式場1か所と葬儀ホール7か所を運営しています。
大分県の葬儀時事情
大分県の葬儀事情について、「葬儀の慣習」や「費用」の他、「主な斎場」をご紹介します。
特徴
家族が亡くなった際には、近親者だけで食事をして故人を偲ぶ「別れ膳」の席が設けられます。
通夜振る舞いとは異なり、参列者が参加することはありません。
出棺の際には、故人が使っていた茶碗を割るしきたりが残っています。
これは、現世とのつながりを断つという意味があります。
大分県の一部では、出棺のときに近親者で棺を持って回す「棺回し」という慣習が残っています。
これは、棺を回して方向を分からなくし、迷わずに冥土に向かうよう願う気持ちが込められています。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると大分県は「128万2397円」で全国28位でした。
国内全体から見ると中間的な金額です。
かつての葬儀といえば、親せき縁者はもとより近所の町内会の人たちも参列するような大人数のものが多く行われていましたが、近年では家族葬をメインとした小規模な葬儀が主流となってきています。
葬儀にかかる費用は低下傾向となっており、今後も続くものと思われます。
斎場
大分県内にある「公営斎場を3つ」ご紹介いたします。
<大分市葬斎場>
大分市内にある公営斎場で、大分市民は割安の料金で利用できます。
葬儀ホールに火葬場が併設されているので、移動の負担がありません。
市内の中心地からは離れていますが、比較的アクセスしやすい場所にあります。
(アクセス) 阿蘇高原線中判田駅からタクシー6分
<大分市佐賀関火葬場>
佐賀関火葬場は、葬儀ホールと火葬場を備えた公営斎場です。
火葬の際には移動の負担がなく、高齢者や体の不自由な方にも安心です。
最寄り駅からは離れた場所にあるので、タクシーの利用がおすすめです。
(アクセス) JR日豊本線「幸崎駅」からタクシー18分
<秋草葬斎場>
秋草葬斎場は大分県速見郡日出町にある公営の斎場です。
敷地内に式場が完備されているので、葬儀の後の移動の負担がありません。
火葬炉9基、炉前ホール1室、待合室8室、収骨室2室が用意されています。
通夜・告別式を行わない直葬にも対応しております。
(アクセス) JR「亀川駅」からタクシー10分
互助会の組織とは
互助会の「歴史」や互助会の「仕組み」、そして全国的な互助会の「業界団体が立ち上がった経緯」などをご紹介いたします。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
はじめて互助会が生まれたのは1948年のことで、終戦から3年でしたが、人々の生活には様々なものがまだ不足している時代でした。
そうした状況の中でも、親族の冠婚葬祭はきちんとした形でやってあげたいという想いを持つ人が増えたことで、少額の積立金を多くの人たちで出し合い、お互いに助け合う互助会の仕組みができていきました。
その後、徐々に日本の経済は復興を遂げ、それに合わせて互助会も勢力を伸ばすことになりました。
特に高度成長時代になって、若年層の人たちが都市部に集中するようになり、将来の結婚に備えて互助会に加入する人が増えました。
バブル時代の後は、日本は少子高齢化時代となり、「葬儀」需要が増えていきました。
今後の互助会の中心事業となってきています。
互助会の仕組み
互助会の創業の精神は「相互扶助」。
会員同士がお互いに助け合うことを基本的な考え方としています。
互助会の会員になると、自分が選んだプランのために毎月数千円の積立をしていきます。
積立期間は「5年~10年」という長期に渡ります。
積立金を全て払い終えると、当初の契約通りに、会員価格で用意されたプランで冠婚葬祭を行うことができる権利を受け取ることになります。
この権利は生涯に渡って利用可能です。
また積立期間中であっても、残金を全て払えば、同様に権利を得ることができます。
互助会では多くの会員からの積立金を預かることになります。
この豊富な資金を使って、式典のための施設建設、必要な設備等の購入、またサービスを提供するための従業員の雇用などをして、会員向けのサービスを充実させています。
互助会では、冠婚葬祭にまつわる関連会社を運営しているところが多く、飲食、貸衣装、旅行、写真撮影などのサービスを会員向けの特典として割引価格で提供しています。
全国的な互助会組織
冠婚葬祭を扱う互助会組織は、国内全体で約250あり、それぞれは独自に運営されています。
互助会の会員の総数は「2240万人」、積立金の総額は「2兆5000億円」にも上ります。
国内で営まれた葬儀のうち、約2割は互助会が関わっているものです。
日本の経済が復興し、目覚ましい発展を遂げた時代には、互助会に加入する人が右肩上がりに増加し、それを見て次々に新しい互助会が創設されていきました。
しかし、中にはずさんな経営が原因で破綻に追い込まれる互助会も出てきました。
確固たるルールも構築されていなかったため、破綻した互助会の会員には積立金の返金がなく、社会的にも互助会に対して厳しい意見が出るようになりました。
このままでは将来の互助会運営に支障が出ると危機感が高まり、互助会同士が連携して全国的な業界団体を立ち上げる運びとなります。
経済産業省の管轄下で「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」が創設され、208の互助会が加盟しました。
この組織が主導し、互助会運営の統一的なルールを構築し、全国の互助会が連携する仕組みを作り上げました。
会員は転居先でも、これまでに積み立てたお金を転居先の互助会に引き継ぐことができるようになっています。
大分県で互助会に加入するメリット・デメリット
大分県で互助会に加入することについて、「メリットとデメリット」を見ておきましょう。
メリット
互助会の会員になることの大きなメリットは、月々わずか数千円の積立を続けていくだけで将来必要となる冠婚葬祭の費用に備えることができることです。
そして、万が一のときにも相談する相手がいるという安心感があります。
互助会では、会員向けに多くの特典を用意しており、提携のお店や企業の商品・サービスを割引価格で提供されています。
デメリット
互助会に加入することのデメリットとしては、積立金を自由に使うことができないということです。
基本的に自分が申し込んだプラン以外の使い道がなくなり固定化されます。
何かの事情があって現金が必要になった場合に、解約する場合には手数料を引かれます。
その他、互助会が扱うプランの種類が限られていることや、積立金だけでは冠婚葬祭のすべてにかかる費用は賄えないこと等は事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する際に注意すべき点について確認しておきましょう。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会の会員となって毎月の積立を続けていくことで、将来の冠婚葬祭にかかる費用に備えることができます。
ただし、この積立金だけで式典にかかる費用のすべてをカバーできると考えていると、こんなはずじゃなかったと後悔することになります。
互助会の積立は5年~10年の期間続けて、トータルでは「30万円~50万円程」になります。
契約したプランの金額はこれで賄えますが、プランに含まれているものは基本的な装具や式典の運営サービスの料金です。
式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代はプランには含まれていません。
何名の参列者になるかで、トータルの費用はかなり変わってきますが、別途に「100万円~150万円程度」かかることは考えておいたほうがいいでしょう。
解約には手数料が必要
定期預金や生命保険などを積立していたとしても、解約して積み立てた分のお金を引き出すのに手数料は必要ありませんが、互助会の積立金は解約するのに手数料が引かれます。
事情があって、どうしても現金が必要で互助会を解約したいという場合には、注意が必要です。
互助会の全国組織が統一の運営ルールを構築する前は、25%以上の手数料をとって問題になる互助会もありましたが、現在では「10%~15%」に制限されています。
経営破綻の可能性もありうる
高度成長時代には、将来に備えて互助会に加入する人が大幅に増えたことで、新たな互助会を立ち上げるケースが多く見られました。
しかし、中にはずさんな経営によって破綻に追い込まれる互助会もありました。
きちんとしたルールもなかったことで、会員に返金もされず大きな問題となりました。
互助会の運営母体は私企業であるため、経営がうまくいかなければ破綻する可能性があることは知っておく必要があります。
ただし現在では、会員が積み立てたお金の半分は保全されるように統一ルールで定められています。
互助会の選び方
互助会に加入することを考えている場合に、「どのように選べばいいのか」を確認しておきましょう。
情報収集
互助会に入ることを考えたら、まずはできるだけ多くの情報を集めるようにしましょう。
互助会の「ウェブサイト」で基本的なサービス内容やプランについての大まかな情報を得ることができます。
その中でいくつか気になる互助会をピックアップし、資料請求をしてみましょう。
詳細な情報を得た中で、不明なところや理解ができないところがあれば、こんなこと聞いてもいいのかとためらわずに、どんどん質問していくといいでしょう。
よく理解できないままに加入して、知らなかったと後悔することがないようにしておくことです。
自宅近くの互助会
互助会に加入して積立をしている間は気になりませんが、いざ実際に自分の冠婚葬祭の式を執り行う段階になると、担当者との打ち合わせが何度か必要になります。
その際に、自宅と互助会の事務所が離れていると、自宅に来てもらうにも、こちらが事務所に行くにも大変な労力がかかります。
ちょっとしたことを相談するにもしやすいということを考えると、自宅近くに事務所がある互助会を選んだ方が安心といえます。
経営状態をチェック
互助会と会員の付き合いは、非常に長い年月になります。
積立期間が5年~10年、完納後も冠婚葬祭のプランを実行するまでには、数年から数十年の期間があります。
その期間は自分のお金を預けたままということですので、「そこまで信用できるかどうか」は しっかりチェックしておく必要があります。
万が一、互助会の経営が破綻し解散ということなれば、預けてあるお金の半分しか返金されません。
互助会の経営状態については、公表されているので、調べておきましょう。
また、「ネット上の評判」もみておくといいでしょう。
【大分県で互助会に加入するとすれば?】大分県の葬儀事情や費用、互助会選びの基準を解説 まとめ
大分県は、昔からの葬儀の習慣が今も続いている地方都市です。
葬儀にかける費用は、全国的にみると中間的な位置ですが、多くの人が家族葬など小規模な葬儀を選ぶようになっていることから今後は低下を続けていくことが予想されます。
互助会の在り方も、こうした状況に合わせて変わっていくことでしょう。