横浜市は、東京の生活圏として地方から移ってきた人たちと、東京へ通勤・通学でつながっている地元の人の両方がいるところが特徴となっています。
人口は378万人で、東京23区に次いで大きな街となっています。東京の文化の影響を受けていることもあり、葬儀にかける費用も高めで全国7位の「169.7万円」でした。
横浜市で事業展開している互助会の中で「代表的なものがこちらの3つ」です。
- メモワール
- くらしの友
- 大成互助センター
それぞれが長い歴史を持ち、独自の施設を保有して会員向けにサービスを提供しています。
横浜は東京から近く、東京の学校や会社に通う人も多いことから、東京の影響を強く受けています。
昔からの葬儀の風習もあまり残っておらず、葬儀の形態も「家族葬をメイン」とした小規模なものが多く執り行われています。
互助会の会員になることで、いざという時の相談先ができ、経済的な負担にならない積立を続けていくことで冠婚葬祭に出費に備えることができる「メリット」があります。
ただし、「積立金だけでは葬儀費用全額はカバーできない」こと、「解約するには手数料がかかる」こと、「プランが限定されている」ことなどを踏まえて検討するといいでしょう。
目次
横浜の互助会
横浜市を拠点とする「代表的な互助会を3つ」ご紹介いたします。
メモワール
メモワールは1970年(昭和45年)横浜市南区にて創業しました。
現在では、従業員数約1000名、会員数約30万名と大きな組織となっています。
葬儀、結婚式の他に法要、七五三、成人式といったライフイベントのサポートをしています。
横浜市を中心に2つの「結婚式場」と20の「葬儀ホール」を保有し、互助会会員には50%割引で利用サービスをしています。
関連事業として、介護事業、リフォーム事業、健康食品販売業、物流事業、旅客運送事業、仏壇・仏具販売業に携わっています。
また会員サービスとして、生活総合支援サービスを提供したり、カルチャー教室や趣味の会等を開催したりしています。
くらしの友
くらしの友は、1968年(昭和43年)4月東京都大田区で総合生活サービスとして創業。
現在では、冠婚葬祭互助会事業の他に、
- ホテル宿泊事業
- 外食事業
- 旅行事業
- 不動産事業
- 生前/遺品整理事業
- 介護事業
- 配食サービス事業
- WEB・広告制作事業
- 搬送事業
など幅広く事業展開しています。
自前の施設として、26の「葬儀ホール」、3つの「結婚式場・ホテル」を保有し、会員に割引利用サービスを提供しています。
その他、さまざまな企業と提携し、会員向けに「福利厚生サービス」「高齢者向けサービス」「生活サービス」等を提供しています。
大成互助センター
葬儀社として、昭和3年に東京都品川区に創業した大成祭典が母体となって運営されています。
現在の従業員数は135名で、東京と横浜に営業所を構えています。
直営の「葬儀ホール」が9ヵ所あり、会員には割引で利用できるようにサービスを提供しています。
プランとして、
- 清流45コース
- 清流27コース
- 清流18コース
の「3つが用意」されています。
その他、会員には全国各地のホテルや旅館の割引サービスや礼服などの貸衣装の割引サービスを提供しています。
横浜の葬儀時事情
横浜の葬儀にはどのような特徴があるのか、葬儀にかける費用や市内の代表的な斎場などをご紹介します。
特徴
横浜市の葬儀は、東京などと同様に「後火葬」が一般的です。
お通夜・告別式を行った後、火葬します。
お通夜の席では、通常「通夜振る舞い」が用意されています。
お焼香を終えた後に寿司やサンドイッチ、オードブルなどの軽い食事を一緒にすることで、故人の供養になると考えられています。
神奈川県の農村部などでは、高齢で亡くなった方の葬儀の際に長寿のお祝いの行事を行うこともあります。
また、「豆腐」を食べて納棺するという風習がある地域もあるようです。
これは、塩をつけた白い豆腐を食べることで清めるといった意味があるとのことです。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると横浜市がある神奈川県は7位で「169.7万円」です。
土地代や人件費が高い都市部は、どうしても葬儀費用も高くなりがちです。
以前は葬儀となると、近所の人や職場関係者、友人・知人など、非常に多くの人が参列するのが当たり前でした。
近年では、そのような大規模な葬儀は次第に少なくなり、家族や限られた人だけによる小規模な家族葬がメインとなってきています。
冠婚葬祭に対する考え方も時代に応じて変わっていき、かける費用も年々低下していく傾向はこれからも続くと考えられています。
斎場
<横浜市北部斎場>
横浜市北部斎場は、横浜市が運営しているため、市民の方は非常に安く利用することができます。
葬儀式場と火葬場が同じ敷地にあって移動の必要がなく建物の中の造りもバリアフリーになっていて高齢者に優しい斎場です。
シックで落ち着いた外観で式場全体に清潔感があります。
緑区、青葉区、都筑区、旭区、瀬谷区、港北区、神奈川区の方が、利用することが多いようです。
火葬場と葬祭ホールが同じ建物内にあることから、お通夜、告別式、火葬までの全てをここで行うことができ、移動の負担がありません。
(アクセス) JR横浜線長津田駅からタクシー8分 JR横浜線十日市場駅からバス20分 東急田園都市線すずかけ台駅から徒歩25分
<横浜市南部斎場>
横浜市南部斎場は、横浜市が運営する施設で、葬儀式場と火葬場が併設されている斎場です。
宿泊施設もあり、付き添いも可能です。建物は、ゆったりとした造りで清潔感があり、バリアフリーが行き届いているので、高齢者も安心して利用できます。
金沢区、磯子区、港南区、栄区の方が、利用することが多いようです。
(アクセス) 京急本線 金沢文庫駅からタクシー15分
<横浜市戸塚斎場>
横浜市戸塚斎場は、火葬場と葬儀式場が併設された施設で移動の必要がなく利便性に優れています。
近くにはペット専用の火葬炉もあり、横浜市民の方は安く利用することができます。
(アクセス) ブルーライン 踊場駅から徒歩15分
互助会の組織とは
ここでは、互助会の組織について、その「歴史や仕組み」、「全国組織について」ご紹介していきます。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
互助会の組織が生まれたのは、1948年のことです。
終戦から3年でまだまだ物資が不足し、人々の生活にまで行き渡っていませんでした。
それでも身内の結婚式や葬儀はちゃんとやってやりたい、という想いを持つ人が多く、皆がお金を出し合いお互いに助けていこうということから互助会の誕生につながりました。
日本経済が立ち直り、高度成長時代に入って大きく成長しました。
その頃には、若者が都市部に集中し結婚するカップルが増えたことで互助会加入者が大きく伸びていきました。
その後、バブル時代を経て、次第に少子高齢化の時代になったことで、葬儀の需要が高まり、互助会にとっても大きな事業となっています。
互助会の仕組み
互助会の基本的な精神は「相互扶助」といわれて、会員同士で助け合っていくことを考えて作られた組織です。
互助会に加入すると、月々数千円の積み立てを「5年~10年」といった長期で続けていきます。
この積立を完納すると、互助会が提供している冠婚葬祭の割引プランを使って保有施設を会員価格で利用できます。
積立期間中であれば、完納までの差額を支払えば同じサービスを受けることができます。
互助会組織は、積立金を預かりそのお金の一部を自前の式場を建設やサービス提供の人件費などに当てて事業を広げてきました。
互助会では、冠婚葬祭に必要な関連サービスを提供しているケースが多く、食事や貸衣装、写真撮影、法要などのサービスを会員向けに割引して提供しています。
全国的な互助会組織
日本国内には互助会組織が250ほどあり、それぞれは別々の組織として独自に運営されています。
会員数は合計すると「2240万人」、積立金の総額は「2兆5000億円」にもなっており、1年間に営まれる葬儀のうち、2割程は互助会が関わっているものです。
高度成長期になって、互助会に加入する人が大幅に増えたことで、それをチャンスととらえて全国で新しい互助会が乱立した時期がありました。
なかには経営基盤がしっかりしておらず、破綻するケースもいくつか発生し、積立金が返金されなかったことで大きな問題に発展しました。
そうした状況に危機感を持ったことで、互助会全体の発展のために経営体制とルール作りが必要という機運が高まり、全国規模で互助会の業界団体を立ち上げる動きが進みました。
経済産業省の管轄で創設された「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」には、208の互助会が加入することになりました。
互助会運営の統一ルールが作られ、全国の互助会同士の連携も進みました。
会員が移転した場合には、移転先の互助会で積立金を引き継ぐことも可能になっています。
また、万が一、加入した互助会が破綻した場合でも、積立金の半額は保全される仕組みが構築されています。
横浜で互助会に加入するメリット・デメリット
横浜で互助会に加入しているとどういった「メリット・デメリット」があるのか、確認しておきましょう。
メリット
月々数千円程度の積立をしているだけで、この先発生する冠婚葬祭の出費に備えることができる、という「安心感を得ることできるのが大きなメリット」です。
相談先を確保しているということもいざという時に困ることがありません。
その他にも、会員サービスとして、互助会の関連企業や提携のお店等で割引が受けられます。
デメリット
互助会に積み立てている会費は、自分のお金でありながら加入したプラン以外に使うことができず固定化されてしまいます。
どうしてもお金が必要になった場合に解約すると手数料がかかります。
その他にもプランが限定されていて自分が希望する様式でできない可能性があることや、積立金では式にかかる全額は賄えないこと等は事前に確認しておく必要があります。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する前に確認しておいたほうがいい注意点にはどういったことがあるでしょうか。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会の積立金は毎月数千円ですので、確かに経済的な負担はありませんが、5年~10年続けて完納しても、この積立金だけでは冠婚葬祭に必要なお金のすべてを賄うことは出来ないので注意しましょう。
積立金を完納した場合の合計金額は「30万円~50万円」ですが、この金額でカバーできる部分は基本的な装具や式運営のサービスぐらいです。
式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代は含まれていませんので、別に支払いが発生します。
参列者数に寄りますが、「100万円~150万円程度」は準備しておいたほうがいいでしょう。
解約には手数料が必要
互助会の積立を続けてきていながら、どうしてもお金が必要になって解約することも考えられます。
この場合、定期預金や保険の解約と同じように手数料はかからないと思うかもしれませんが、互助会の積立金の解約には「10%~15%の手数料」がかかりますので注意しましょう。
以前は、25%以上の法外な手数料をとっていた互助会もあったようですが、現在では統一ルールが設けられています。
経営破綻の可能性もありうる
互助会は公共団体ではないので、経営がうまくいかなければ破綻する可能性はあります。
高度成長時代などには、互助会に加入する人が急増したことに目をつけて、新規の互助会がいくつも立ち上げられ、その中にはずさんな経営をしているところもあり、破綻して会員には大きな不利益となったことがありました。
現在では、積立金の半分は必ず戻ってくるような仕組みとなっております。
互助会の選び方
互助会に加入を考えている場合、どのような基準で選べばいいでしょうか。選び方をチェックしてみましょう。
情報収集
互助会加入を考えたら、まずはできるだけ情報を集めていきましょう。
今ではどの互助会でもウェブサイトを持っていますので、そこで基本情報を収集し、興味がある互助会があれば資料請求していきましょう。
少しでも分からないことがあれば、納得するまで質問しておくことをおすすめします。
自宅近くの互助会
互助会加入後に、実際に自分の冠婚葬祭をやるという場合には、担当者との打ち合わせが欠かせません。
その際に、互助会の事務所が自宅から遠く離れていると、こちらから行くのも億劫ですし、来てもらうのも申し訳ないということになり、打合せがスムーズに行えないことになります。
できれば自宅近くに事務所がある互助会のほうがいいでしょう。
経営状態をチェック
互助会に加入すると積立期間は5年~10年、その後も実際に式を執り行うまでには何十年も預けておくことになる可能性があります。
その間に、互助会の経営不振に陥ってしまい破綻することになれば、半額は保全されていますが、残りの半額は戻ってきません。
加入前にはしっかり情報を集め、「口コミ」や「ネット上の情報」などを集めておくと安心感を得ることができます。
【横浜で互助会に加入を考えるなら?】横浜の葬儀の特徴や費用のことも紹介 まとめ
横浜市は東京の通勤通学圏であることから、東京と同様の葬儀事情となっています。
家族葬を中心とした小規模な葬儀が増えており、互助会もそういった社会の流れにそって対応したプランを用意しています。
「互助会に加入することを考えている方は、情報を収集し納得してから加入するといいでしょう。」