三重県は、日本のほぼ真ん中の位置にあり、名古屋・大阪の両経済圏に属しています。
自然豊かな環境でありながら四日市の工業地帯や亀山市の工場地帯といった工業も盛んです。
2000年の歴史を誇る「伊勢神宮」や世界遺産「熊野古道」などの有名な観光地もあり独自の文化が栄えています。
三重県内で営業展開している互助会はいくつかありますが、「代表的な互助会は3つ」あります。
- ライフプラン株式会社
- 株式会社三重平安閣
- ベルコ
それぞれ独自の施設を保有し、長く営業をしています。
三重県民が葬儀にかける費用は全国21位で「139万7920円」でした。
大阪、名古屋の両方から影響を受けている地域で、独自の葬儀の慣習なども残っています。
近年では、他の地域と同様に、家族葬を中心とした小規模な葬儀が多く営まれるようになり葬儀にかける費用は低下傾向を続けています。
互助会に加入する「メリット」として、経済的な負担のない積立金を続けていくだけで将来の出費に備えることができるという安心感があります。
その反面、積立金だけでは葬儀にかかる全ての金額を賄えないことや、解約手数料のことなど、互助会の仕組みをしっかりと理解しておく必要があります。
目次
三重の互助会
三重県の「代表的な互助会を3つ」ご紹介します。
ライフプラン株式会社
ライフプランは1971年(昭和46年)桑名市に創業し、いなべ市、東員町、木曽岬町に事業展開している互助会です。
独自の葬儀ホールを「8ヵ所」保有し、会員の方に利用されています。
互助会のプランとしては、「プラン21」「プラン18」という2種類を用意しており、その中で、家族葬やリビング葬などの希望に沿った形で故人を送り出すことができます。
葬儀のサポート以外にも貸衣装やフォトスタジオを運営していて、会員が便利に利用できるようサポートしています。
株式会社三重平安閣
四日市市に本社を置く三重平安閣は、1958年(昭和33年)に創業されました。
現在では三重県一帯に互助会会員を集め、事業展開しています。
パートを含めたグループ全体の従業員数は「587名」、県内に「5か所」の結婚式場、「22ヵ所」の葬儀ホールを運営している他、介護事業、家事代行サービス、貸衣装、フォトスタジオ、婚活サービスなど様々な事業を幅広く行っています。
互助会の会員数は「6万5000口」、預り金の総額は「114億2000万円」にも上ります。
年間の婚礼件数は「239組」(2021年度)、葬儀件数「 3,132件」(2021年度)となっています。
ベルコ
ベルコは、1969年(昭和44年)兵庫県西宮市に創業しました。
近畿地方をメインにして会員を広げていき、現在では北海道・秋田・岩手・宮城・茨城・福島・富山・愛知・大阪・兵庫・奈良・和歌山・三重・山口・香川・高知・島根・福岡と全国各地に拠点を設けています。
加入者数は「263万口」、年間に「4万件以上」の葬儀を執り行っています。
パートタイムを含めた全従業員数は「6000名以上」という、大きな組織です。
ベルコの売上は「417億円」(令和2年度)で、そのうち葬儀関係が約85%です。
保有する施設は、結婚式場が30ヵ所以上、葬儀ホールが200ヵ所以上あり、その他にホテルやコスチュームサロンなど、様々な関連事業を展開しています。
三重の葬儀時事情
三重県の葬儀について、「葬儀の特徴」や「費用」、「代表的な斎場」をご紹介していきます。
特徴
<出立の膳と涙汁>
出立の膳とは、出棺前に精進料理を食べる風習として広まったもので、最近では葬儀当日の朝食として取ることも多いようです。
涙汁と呼ばれる辛い胡椒汁を飲む地域もあり、これは涙を流すためのものと言われています。
<夜伽見舞い>
夜伽見舞いとは、お通夜を迎える遺族に贈られるお菓子や果物のことです。
夜伽とは、故人を囲んで過ごす通夜のことを指します。
夜伽見舞いは東海三県でいまも残る風習で、愛知県や岐阜県では「お淋し見舞い」とも呼ばれています。
<神葬祭が多い伊勢地方>
伊勢市では、伊勢神宮があることから神道式の葬儀「神葬祭」が他の地域と比べて多く行われています。
伊勢神宮が身近にあることに加え、伊勢市内には神道専用の葬儀場があることから、こちらで葬儀が行われることが多いようです。
費用
2017年一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によると三重県の葬儀にかける費用の平均額は「139万7920円」で全国21位でした。
地方都市としては一般的な金額となっています。
かつては、三重県内では親せきや近所の人など多くが参列する一般葬が通常でしたが、最近では、家族や付き合いの深い人だけで故人を送る家族葬が主流となっています。
参列者の数が少なくなったことで、葬儀にかける費用も年々低下する傾向にあります。
他の地域と同様に、三重県内でも時代と共に考え方が変わり、冠婚葬祭も質素にする家庭が増えてきています。
また直葬などの簡素な形式で送り出すケースも目立つようになってきて、今後も葬儀は小規模化していくものと思われます。
斎場
<いつくしみの杜>
いつくしみの杜は、三重県津市にある市営の斎場です。
周囲を緑の公園や森に囲まれた静かな丘の上にあり、とても落ち着いた雰囲気です。
2015年に建物が改装され、バリアフリー設計となっているため、高齢者や子供連れの方でも利用しやすくなっています。
近鉄南が丘駅から徒歩約8分。
タクシーを併用すれば「JR津・近鉄津駅」や 「近鉄久居駅」も利用可能とアクセスがいいロケーションです。
火葬場と葬儀式場を併設している施設ですので、葬儀の後の移動の負担が少なく済みます。
市営の施設ですので、津市の市民であれば低料金で利用可能で、宗教に関係なく利用することができます。
<四日市市営 北大谷斎場>
四日市市営 北大谷斎場は、四日市市が運営する斎場で、葬儀式場と火葬場併設の施設です。
敷地が広くゆったりとした造りになっています。市営斎場ですので、四日市市民は低料金で利用できます。
火葬場が併設されているので、告別式の後の移動の負担がなく、参列した高齢者にも好評です。
15畳・24畳の「和室」と、120名収容可能な「洋室」の式場があり、葬儀の規模に応じて利用することが可能です。
<亀山市斎場>
亀山市が運営する公営斎場で、火葬場と葬儀式場を併設しています。
式室は80名用と170名用が用意されており規模に応じて利用可能です。
遺族控室では、付き添いの宿泊も可能です。
火葬場への移動が不要ですので、移動手段の手配がいらなくなり、葬儀にかかる費用を抑えることができます。
互助会の組織とは
互助会について「歴史や仕組み」、「全国的な互助会の組織について」ご紹介します。
互助会の仕組みや組織については、こちらの記事も参考になると思います。
ぜひご覧ください。
>>【互助会とは?】互助会の仕組みや選び方、加入方法について解説
互助会の歴史
互助会が初めてできたのは1948年、まだ戦後の復興が始まったばかりの頃です。
物資が不足している中でも、家族の冠婚葬祭はきちんとやりたいという気持ちを持つ人が増えていきました。
そこで、少額の積立金を多くの人から集め、その資金を活用して施設や設備を整えて、会員になった人に安く利用できるようにしようということで互助会が立ち上げられました。
日本経済が立ち直り、次第に拡大していくのに合わせて、互助会に加入する会員も増えていきました。
高度成長期には、都会に集まった若者たちの結婚需要が高まり、結婚式場も あちこちでオープンしました。
その後、少子高齢化の時代となり、葬儀需要が増加したことに合わせて互助会でも葬儀に関する事業が大きなウエートを占めるようになりました。
互助会の仕組み
互助会の基本的な思想は「相互扶助」。
会員同士が助け合うという考えで運営されています。
互助会の会員になると、少額の積立を「5年~10年」という長期間に渡って続けていきます。
このような会員を多く集めることで互助会には大きな資金が入るようになり、その資金を用いて自前の施設を建設したり、設備や人員を整備したりしていきました。
積立をした会員は自分の冠婚葬祭を行う際には、一般価格よりも割引された金額のプランで式を行うことができ、互助会が保有する式場を割安で利用することができます。
また互助会では、様々な関連事業を行っていることが多く、食事、写真撮影、貸衣装、法要などのサービスを会員特典として特別価格のサービスを受けることができるようになっています。
全国的な互助会組織
日本国内にある互助会の数は約250で、それぞれは別個の組織として独立しています。
互助会の会員数の総数は「2240万人」、積立金の総額は「2兆5000億円」にも上ります。
1年間に国内で営まれる葬儀の約20%が互助会によって運営されているものです。
かつて日本経済が大きく復興していくのに合わせて互助会の会員が大幅に増加していきました。
その様子を見て、次々に新たな互助会が立ち上げられていきました。
中にはずさんな経営によって破綻する互助会も発生し、会員にも返金されず大きな問題となっていました。
互助会業界の将来に危機感を感じ、きちんとした経営体制とルール作りをする目的ではじめて互助会の業界団体を立ち上げることになりました。
経済産業省の管轄で、「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会」が創設され、208の互助会組織が加入することになりました。
運営の統一ルールが作られ、全国の互助会が連携するようになったことで、会員が引っ越した場合にも、移転先の互助会に引継ぎすることもできるようになりました。
また、万が一、加入している互助会が経営破綻した場合も、積立金の半額は保全される仕組みができています。
三重で互助会に加入するメリット・デメリット
三重で互助会に加入するとどういった「メリットとデメリット」があるか、確認しておきましょう。
メリット
互助会に加入し会員になることで、毎月少ない金額の積立を負担なく続け、この先の冠婚葬祭のまとまった金額の出費に備えておくことができます。
万が一のときにもどこに連絡すればいいのかが決まっているので、「大きな安心感」となります。
その他にも、互助会の会員特典があるため、提携のお店や関連施設等の割引サービスを受けることができるというメリットがあります。
デメリット
互助会に加入して5年~10年という長期間積み立てをしたお金は、設定した冠婚葬祭以外の目的に使うことができなくなります。
また互助会で用意しているプランの種類はバリエーションがやや少ないため、自分が思うような式を挙げることができない可能性もあります。
その他に、お金が必要になって互助会を解約して積立金を返金してもらう場合には手数料がかかるということや、結婚式や葬儀にかかる全部の費用を積立金だけでまかなうことができない、といったことを事前に理解しておかないと、後になって後悔するかもしれません。
互助会の加入で注意すべきこと
互助会に加入する場合に、どのようなことに気をつけておくべきでしょうか。
互助会の積立金は葬儀費用の全額を賄えない
互助会の積立は月々数千円で経済的に負担なく5年~10年続けるものです。
積み立てが完納することで、万が一のときにも不安がないというのが「メリット」となっています。
ただし、この積立金だけでは葬儀にかかる全額をまかなうことができないということを認識しておいたほうがいいでしょう。
互助会の積立金は、トータルで「30万円~50万円」になりますが、プランに含まれているのは、基本的な装具と式運営のサービスに限られており、式場利用料、飲食代、返礼品代、宗教者への謝礼、火葬代は別途支払いが発生します。
参列者が何人になるかで変わってきますが、「100万円~150万円程」のお金は考えておいたほうがいいでしょう。
解約には手数料が必要
通常、定期預金や保険を解約する場合、手数料はかからないものですが、互助会の積立金を解約すると「10%~15%の手数料」がかかります。
以前は、明確なルールがなく25%以上の法外な手数料をとっていて問題になったこともありましたが、現在では業界全体でルールができています。
経営破綻の可能性もありうる
かつては互助会が乱立した時期もあり、中には経営がうまくいかず破綻してしまったケースもありました。
ルールも確立されておらず、積立金が返金されず問題になりました。
互助会は私企業ですので、経営に問題があれば破綻する可能性もあります。
現在は、積立金を保全する仕組みができています。
互助会の選び方
互助会を選ぶときの選び方を今一度確認しておきましょう。
情報収集
互助会加入を考えたら、まずは情報を集めていきましょう。
互助会の「ウェブサイト」をチェックし、基本的な情報を収集したうえで、興味があるものについては、資料請求し詳しい情報を得るようにします。
少しでも不明な点があれば、完全に理解するまで問合せしておきましょう。
自宅近くの互助会
互助会の会員になって、実際の葬儀や結婚式を行う段階になると、互助会担当者との打ち合わせをする必要が発生します。
互助会が遠くに離れていると、打ち合わせに来てもらうのも気が引けますし、自分から行くのも大変です。
できるだけ自宅から近い互助会のほうがいざというときに相談もしやすいので便利でおすすめです。
経営状態をチェック
互助会に入会後は、積立期間は5年~10年といった長期に渡り、完納後も葬儀はいつになるかわかりませんから、場合によって数十年の間お金を預けたままになる可能性があります。
もし、自分が加入している互助会が経営破綻すれば、半分は帰ってくる仕組みはできていますが、残りの半分は戻りません。
「ネットの情報」などを集めて、経営状態を把握しておくのが安心材料となります。
【三重の互助会に加入を考えているなら?】三重の葬儀の特徴や費用についても紹介 まとめ
三重県は日本の真ん中付近に位置し、名古屋と近畿の両方の影響を受けている地域です。
葬儀費用も日本全体の真ん中ぐらいとなっています。
三重県独特の葬儀の風習はまだいくつか残っていますが、葬儀の規模は他の地域と同様に 年々小規模になってきています。
互助会でもそうした風潮に合わせてプランを用意しているので、互助会に加入を考えているのであれば、情報を多く集めて十分理解したうえで加入するといいでしょう。