今回ご紹介するのは、「家系学」という本です。この言葉は初めて耳にする人がほとんどでしょう。家系というと、終活の一貫としても位置づけられていたりして密かにブームになっているという家系図を思い浮かべますよね。遠い先祖から現在の自分まで、どのような系譜が連なっているのかをツリーにしたものです。家系学とは家系図そのものだけではなく、家系には今の家族関係を紐解く全ての鍵が詰まっている、として家系図から家族の課題や悩みを解決できるということを説く、ある意味心理学的な学問なのだそうです。
書籍名称:~ハッピーセラピー 読むだけで悩みが解ける~ 家系学
著者:おがわたかし
発行元:日本メディアコーポレーション
発売元:星雲社
価格:1,234円(税込)
販売店:全国の書店、amazonなど
書籍の概要
家系は単なるルーツ探しではなく、家系(古の祖先たち)を知れば、家族に起きている問題の全てが分かるのだそうです。実際に心理学のアプローチにおいても家系を探るという手法があります。これは人を形成する意識、無意識の精神は、遺伝あるいは隔世遺伝によりもたらされているという考え方です。自分自身の行動や考え方、そして家族との関係、それらの全ての源が家系を探ることで明らかになる、と本書は説明しています。自分はいったい何者なのか、自分の家族はいったい何なのか、自己と家族のアイデンティティを確立する。つまり「幸福になるためには、まず己を知ることからだ」という論法です。確かに「先祖の悪行が自分の身に祟る」などとも言われます。この因縁を解消することこそが、全ての家族が幸せなるには必要だと本書は説きます。
190頁くらいの本ですが、ひとつの見出し単位でコンパクトに整理されていて、とても読みやすくまとめられています。目次を全て掲載すると若干量が多いので、特に興味を惹きそうなところを拾ってご紹介しましょう。
目次
序章 家系図の不思議
第3節 家族の歴史は繰り返す、家系にはパターンがある
第1章 家系から見る家族関係
第4節 出生順位の不思議
第7節 篤姫も悩んだ嫁姑の三角形化の関係
第2章 家系には連鎖する感情がある
第1節 人に感情があるように、家系にも感情がある
第3章 家系の再評価から新しい家訓ができる
第1節 「自分は誰?」がわかれば、生き方に自信が持てる
第5節 バースデーだけでない、家族儀礼のススメ
第4章 家系で分かる夫婦の出会いと絆
第3節 二人がうまくいかない原因は、「夫婦の構図」にある
第5節 この人となぜ結婚したのか、夫婦の出会いは運命だった
第5章 家系の流れを変えることの必要性
第2節 結婚記念日や長寿のお祝いは、家族のエネルギーを生む
第3節 あなたにとって家系図やお墓は、どんな意味がありますか
第4節 家系の流れを変えるのは、あなたしかいない
ある人が、「もし結婚前に読んでいたら、きっと相手の家系を調べただろう」という感想を述べていました。家系という新しいアプローチですが、確かにそのとおりかもしれない、と思わせる内容です。考え方や知識のひとつとしておさえておいても、決して無駄にはならない内容だと思います。
おがわたかし氏のプロフィール(書籍著者情報から)
家系研究所主幹研究員。1970年10月2日生。家系譜の制作会社に勤務しながら、家系と家族の関係に関心をもち家族史への理解と家族力の向上につながる方法を探究。現在も研究生活を続けながら、全国各地において講演活動や研修会を行っている。