AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、プロジェクションマッピングなどの新しい技術が、お葬式を取り巻く環境も変えようとしています。以前の記事「スマートフォンでお墓参り」もそんな事例の1つでした。今日は、新しい映像技術を駆使した驚きの事例をご紹介します。
故人の画像が空中に浮かぶ
そのサービスを提供し始めたのは、デジタル写真加工サービスやフォトブック制作などを手がける㈱アスカネットです。広島県に本社がある同社は、インターネット黎明期からオンラインでの遺影写真作成サービスを開始、現在ではメモリアル、ブライダル、パーソナルと多様な場面でのデジタルフォトサービスを展開しています。その同社がリリースしたのが、同社が独自に開発したエアリアルイメージングという画像を空中に結像させる技術を活用して、故人の遺影が空中に浮かび上がる焼香台です。
これまでのお葬式にはない演出
この技術は2017年の「エンディング産業展」に試験的に出展された技術だそうですが、あまりにも多くの高評価を得たために、商品化に踏み切ったそうです。遺影は祭壇に飾られるのが常識でした。お焼香するときは、その遺影を見上げて故人の冥福を祈る、故人に話しかけることが定番だったのですが、お焼香をする自分の眼の前に故人が浮かびあがるとしたら、故人に対する想いがより強くなることでしょう。写真ではないので、本人がその場にいるような錯覚を覚えるかもしれません。技術的には動画も可能だということなので、亡くなる前に自分のお葬式用にお別れのメッセージを動画で制作しそれを流したとしたら、どんなお葬式になるのでしょう。筆者はちょっと予想がつきません。参列者が皆、感極まるような気もしますし、別れの悲しみがより強くなるかもしれません。ただ、故人をより身近に感じることができるのは間違いないでしょう。
画像を空中に結像させる技術は、世界的にみても貴重だということです。お葬式はどこまで進化するのか、予測できないですね。
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