ここでも何度かデジタル遺品やデジタル終活に関する記事を書いてきました。いまの時代を考えた時に、待ったなしの重要なテーマだと思うのですが、あまりドラスティックな展開をみせていない気がします。今回の相続法改正でも、デジタル遺品の相続に関する制度、規制は盛り込まれませんでした。アメリカでは3年前の段階で46の州でデジタル遺品に関する州法が制定されているという記事を目にしましたが、なんでも訴訟社会というお国柄なんでしょうか。日本とは大きな違いがあります。しかし、日本でもこれからデジタル遺品に纏わるトラブルが多発する可能性があります。当面は自分の身(デジタル遺品)は自分で守る、処理するしかなさそうです。
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現在60歳前の世代からなのかも
デジタル遺品というキーワードがネット上で話題を集めたのは、3年くらい前になりますが、その後大きな潮流になっていないのは、まだビジネスとして成立するだけの土壌、つまりニーズが集まっていないのかもしれない、という予想ができます。例えば、高齢化社会、多死社会における最大の塊である団塊の世代は現在70歳手前です。デジタル社会に足を一歩踏み入れたかどうかの世代で、パソコンやスマホが仕事や生活の核には至っていない世代だと考えられます。つまり彼らの世代にはまだ切迫感がないのでしょう。しかし、それに続く世代から下は、すべての人がデジタル遺品、デジタル終活を意識しないわけにはいかないと考えています。
デジタル遺品整理サービスは増えている
少しずつではありますが、デジタル遺品、デジタル終活をサポートするサービスが増えてきています。上でご紹介した以前の記事、デジタル終活向けに新サービス登場!「Digital KeePer」、「ガラケー」のデータを取り出す。デジタル終活支援サービス登場などもそうですが、3年くらい前デジタル遺品、デジタル終活という言葉が初めて注目された頃は、『悪徳業者にご用心』といった具合に、弱みに付け込む(デジタル遺品の整理で困っている人を騙すみたいな)業者がいるから注意しましょう的な論調もみられましたが、最近ではそのような業者は減っているようです。一方でデジタル遺品整理を代行、サポートする事業者の数が増えています。必要な人は「デジタル遺品 整理」で検索すると、複数の事業者がヒットしますので、比較検討してみるといいでしょう。
最近では、デジタル遺品サポートサービスも行っている、個人ユーザー向けにパソコンやインターネットに関するサービスを提供している、日本PCサービス(家喜信行代表取締役、大阪府吹田市)が、「デジタル遺品ガイドブック」をサイト上で無償ダウンロードにより提供しています。同社の販促ツールなんですが、デジタル遺品のイロハが分かりやすく書かれていますので、一度お読みなられてはいかがでしょうか。
これだけは肝に銘じたい
最後に、これまでも書いてきた、トラブルの種になりかねないデジタル遺品を、改めて一覧として掲げますので、ご留意くださると幸いです。
ネット銀行やネット証券などの口座
相続対象だが、ID、パスワードが不明だとログインできない。株やFXで信用取引をしていた場合は、資金がマイナスになることがあるため、相続人に追加請求がくる可能性もある。
ハードディスクに保存された画像や文章
故人の思い出だけでなく、故人にとっては家族に知られたくないものもあるかもしれない
SNSのアカウント
アカウントを乗っ取られる危険性がある
有料サイト
死んだ後も利用料は発生し続ける