日本郵便が2018年11月に東京都江東区でスタートさせた、郵便局での終活相談サービスが広がりをみせています。
(関連記事:郵便局で終活相談) ※写真は札幌中央郵便局
札幌市内225局でサービス開始
同サービスは、江東区の郵便局40局(その後41局に増)で試行を開始しました。日本郵便が終活支援事業者と連携して、葬儀、墓地、相続、介護などで困っている、悩んでいる人に専門家を紹介するというものです。その後、2019年2月に試行郵便局を江東区から東京都内の1,466局にエリアを拡大していました。なお、東京都において連携している事業者は次のようになっています。
- 終活関連事業者:株式会社鎌倉新書(東京都中央区)
- 相続関連事業者:株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン信託(東京都千代田区)、日本ATM株式会社(東京都港区)
- 民間介護施設関連事業者:株式会社エイジプラス(本社:大阪市中央区、東京支社:東京都港区)
東京都内に拡大したサービスが、好評だったということなのでしょう。いよいよ全国への展開に移行するステージに差し掛かろうとしているのだと思われます。その第一弾として札幌市内の225の郵便局でサービス窓口を設けることがリリース(2020年9月8日)されました。
早めの全国展開を期待したい
札幌市のサービスは鎌倉新書さんとの連携で行われるようです。サービスメニューは東京都と同様に、相続手続き、民間介護施設の案内、遺品整理や生前整理なども含まれています。札幌が選ばれた理由、事情はよく分かりませんが、北海道は比較的冠婚葬祭に関する土着の慣習が少ないからなのかも、と筆者は想像してみましたが、まぁ実際は日本郵便さんの社内事情、郵便局の受け入れ体制や営業的な事情からなのでしょうね。札幌でのトアイアルの状況をみて、徐々に全国に広げていく戦略なのだと思います。郵便局は民営化された現在も、店舗が津々浦々まで残る、庶民にとっては馴染み、親しみ深い場所です。気軽に相談にいける場所でもあるので、できるだけ早いタイミングでの全国展開を期待したいところですが、それには提携する専門事業者を増やしていく必要もあるのかもしれません。また、いまのところは、郵便局員による戸別訪問による終活相談は行っていないようですが、店舗を直接訪れることが難しい地方の高齢者などにもこのサービスを提供できるようになると、より幅広いニーズに応えることができるようになると思います。
なお、日本郵便の終活相談(「終活紹介サービス」)は、郵便局の窓口だけなく、フリーダイヤルによる窓口(終活相談ダイヤル)、Webからの相談受付も行っています。相談自体は無料ですので(これは郵便局も同じだと思います。実際に仲介が発生した段階で費用が発生するシステムなのでしょう)、お困りの人は一度活用してみるといいかもしれないですね。
日本郵政グループは、かんぽ生命の不正販売で、国民の信頼を損ねてしまいました。しかし、グループが有するネットワークは、未だに他の追随を許さないものだと思っています。グループ全体の信頼を回復させるためにも、ネットワークを活かしたサービスがこれからも展開されることを期待したいですね。