社会人であれば、葬儀に参列するときの服装のマナーはブラックフォーマル(礼服。冠婚葬祭全てで着用可能。通夜葬儀の場では、喪服として着ることができる。本稿では以後喪服と表記します)です。通夜は本来「急ぎ駆けつけた」場でしたので平服でも失礼にはなりませんでしたが、通夜の告別式化が進んでいる現代では、喪服を着る人が増えています。しかし不幸は突然やってきます。常日頃着るわけではない喪服に久しぶりに袖を通そうとしあたら「体型に合わなくなっていた」「黴が生えていた」「通夜は明日だ、どうしよう」こんな経験をした人もいるのではないでしょうか。そんなニーズに応える、礼服のレンタルサービスが拡がっているようです。
通夜や葬儀における服装の基本マナー
はじめに葬儀や通夜での服装の基本(マナー)をおさえておきましょう。
男性
服装 : 喪服(ブラックフォーマルまたはブラックスーツ)
シャツ : 白
ネクタイ: 黒
ベルト : 黒
靴下 : 黒
靴 : 黒(金具NG)
ハンカチ: 白
女性
服装 : 喪服(ブラックフォーマル、黒のワンピース、アンサンブル、スーツ)
ストッキング: 黒
靴 : 黒(高いヒールはNG)
ハンカチ: 白ないし黒の無地
バッグ : 黒のクラッチバック(金具、光沢NG)
その他 : 結婚指輪以外のアクセサリーは外す。ただしパールのネックレス(2連はNG)、イヤリング、ピアスはOK
上記のような服装を一式すべて(それなりの品を)揃えると、10万円超かかってしまいます。最近は、大手チェーンの紳士服販売チェーンやネット通販などで、リーズナブルに一式を揃えることができるようですが、それでも喪服の上下だけで20,000円から50,000円。ネットの最安だと10,000を切るところもあるようですが、そこまで安いと少し心配。そこでレンタルの費用を調べてみると、5,000円から15,000円くらいで上下セットを借りられます。シャツや靴などのオプションも5,000円程度で揃えられそうです。
不幸は突然やってくるからと、社会人になったばかりのときに喪服を一通り揃えた人が多いのではないかと思いますが、再び購入することに(めったに着ないのに)躊躇いを覚えるのも当然ですよね。
そもそも購入していては間に合わないときも
購入する場合は、裾などの直しも必要ですので、手元に届くまで最短でも3日から1週間はかかってしまいます。まず間違いなく、ほとんどの人が喪服に常日頃気を配ることはないでしょう。訃報が届いてはじめてクローゼットの喪服をチェックする。そのとき何か支障があれば、購入していたのでは間に合わないことになってしまいます。そこでレンタルを活用するという選択肢が有効な方法として浮上してくる、というわけです。喪服をレンタルしているところに、葬儀社もあります。参列者ではなく、遺族側の場合であれば葬儀社に相談するのも1つの方法ですね。ただし、参列者が葬儀や通夜の運営を受託している葬儀社から借りるというのは難しいのではないでしょうか。「喪服」×「レンタル」で検索をすると実に多くの検索結果が表示されます。礼服・喪服のレンタル専門店も多いですね。中には24時間受付で即日配達というところもあります。そんなサイトをいくつか比較検討すれば、なんとか明日の通夜に間に合いそうですね。
お手軽でリーズナブルな喪服のレンタルですが、借りる回数が増えれば必然的にトータル費用は嵩みます。これから先に何回使用するか分からない物だけに、結果的に購入するほうが安かった、ということになるかもしれないことは認識しておいてください。ただし、体型が変わりやす人(筆者もその口です)はレンタルにすべきなんでしょうね。